隣人はアイドルだった「617NKBD」 (ページ6)

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…食べちゃった。

ニノ「ん。うまい！」

そりゃ、焼いただけだし…そもそもこのご自宅にあったパンだし。

ニノ「そんな、突っ立ってないで座ったら？」

パンを頬張るアイドルくん。

「…い、え！結構です！帰ります！」

ニノ「…あのさー？」

そそくさとバックを手にとりクルっ！と身体を反転させてたら彼が引き止める。

ニノ「俺、あんたの命の恩人なんだよね？」

「…は、い」

ニノ「だったら…俺の言うことは何でも聞いてくれるんでしょ？」

「…よう、けんに、より、ます」

ニノ「んじゃ…俺の身の回りの世話して？」

「は、い？」

ニノ「こーんな広い部屋にさ？帰ってきても誰も居ないなんて寂しすぎだと思わない？」

…それは。ここの住人の独身の全ての方に当てはまるかと。
そう言いたいけど…

ニノ「…あんたも、1人なんだろ？」

「……」

好きで1人でいるんじゃないけど…。

ニノ「お互い独り身同士。これも何かの縁だと思って…ね？だめ？」

ね？…と。可愛く言われて断る事ができる人が居たら教えてほしい。

40歳…。
今日…私の誕生日。

ずっと寂しくて…誰かの側に居たくて。

二宮和也と…半同棲の生活を受け入れた。

彼の仕事上帰りはバラバラ。
主に電話でのやり取り。
何時に帰ってくるからハンバーグ作っててね！とか。

本当、弟。みたいな存在だ。

彼が自然に私に接してくるから私も自然と彼に打ち解けていた。

葵「何か楽しそう！」

あの日以来ぐっと距離が近くなった葵さん。

「っ…そ、んなことないですよ？」

葵「そうかなー？まっ。ゆみちゃんが幸せならいいか？」

…幸せ？

この感覚。
忘れてた。

拓海と一緒に居たときはもう当たり前になってたから…。

怒ってるかな？
知らない男の子とこうして会ってるの拓海怒ってるかな…。

買い物の帰り…またどんよりした空を見あげた。