隣人はアイドルだった「617NKBD」 (ページ5)

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「え？」

彼が私の隣の部屋のドアを開ける。

「ん？」

「…お、となりさん。でした」

まじ？と、彼はそう言ってさっさと部屋に入る。私もオズオズとお部屋にお邪魔する。

「冷蔵庫、適当に使って？」
彼はそう言ってエアコンをつけてくれる。

使い勝手は変わらないから…失礼しまーすと冷蔵庫を拝借。

卵と…パンはある。
牛乳は、ない。

ぐるりと見渡すと、あまり食器類は揃ってない。

ひとり暮らしかな。
彼女さんとか…奥さんとか…いないのかな。

とりあえずフライパンを拝借して火をかける。
スクランブルエッグ位なら失敗しないでしょ。
パンは焼けばいいし。

「んー♡いい匂い♡」

「…あのっ、ちか、いですっ」

料理に集中してたら不意に後ろから彼が覗いてる。
その近さにびくっ！となる。

「くふふ。1度こんなことしてみたかったんだよねぇ♡」

「…っ、か、のじょ、さんに、してもらってくださいっ」

「えー！そんなのいないもん！」

…なんか。誰かに、にてる？
聞いたことのある声…。

彼の事はほっといてお皿に盛り付ける。

うん。これなら大丈夫でしょ。

「お待たせしましたー」

彼が待つリビングに料理を運ぶ。

「はらへったー！！いただきます！！」

「……う、そっ」

さっきまでキャップを被ってて…気づかなかった。

いや。
気付かないフリをしてた方がよかったのか？

「くふふっ。きづいちゃった？」

と。彼が微笑む。

「二宮和也。5人組で嵐やってます」

「……」うそ。あの…ニノ？！！

私は固まったまま動けなかった。

国民的アイドルグループの…二宮和也。
が…目の前で私の手料理を食べようとしてる。

「…はっ！だめです！食べないで下さい！！」
慌てて彼からフォークを取り上げる。

だって！！一般人の手料理なんか食べさせるわけにはいかないよ！！
お腹でも悪くなったら大変！！

ニノ「腹減ってんのよ？それでも食うなと？」

「っ…出前なり、何なりっ、頼んでください！」

ニノ「えー！俺、動けないもん！」

「だったら！私が買いに行ってき…」

言い合ってる間に…
アイドルくんは…パンを口にいっぱい頬張っていた。