隣人はアイドルだった「617NKBD」 (ページ2)

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拓海と知り合って恋をして。
本当に幸せだった。

そんな幸せな毎日に、突然の悲報。

「拓海が…死んだ」

その日から…私のすべてが止まった。

「またな」
そう言って別れた冬の夜。

交通事故。だった。

「またな」と言って微笑んでた拓海の顔が
ずっと忘れられない。

それから…5年の月日が経つ。

「お前が早く忘れないと成仏しないぞ」と。友達も心配した。

忘れる？

なんで？
「またな」って、拓海と別れたのに。
なんで、忘れなきゃいけないの？

そう言われるのが嫌で…
周りから隠れるようにして上京した。

「ゆみ！後でこっちも宜しく！」

上京して、すぐ仕事には就いた。
なにかしてないと自分じゃなくなってく気がして…。
仕事と言っても居酒屋のパート。
そこで真面目に働いて少しづつ楽しくなった。

そこで私の面倒を見てくれたのが
先輩社員さんの葵さん。

凄く綺麗で何でも丁寧に教えてくれて
葵さんのおかげで私も笑顔を取り戻すことが出来ていた。

葵「今日、飲もっか♡」

仕事が終わって帰り支度をしてたら
急に声がかかる。

「…あっ。今日は」

葵「…記念日？」

「…はい」

葵「そっか。でも、ね？」

「…分かってます。でも」

私が俯くと葵さんは「これ！彼にお裾分け♡」

それ以上は何も言わず拓海の為に
お惣菜を渡してくれた。

葵さんには拓海のことは話してた。
上京して…間もない頃。
死にそうな私を葵さんが救ってくれた。
だから…その理由を全部話した。

葵「泣きたい時は泣けばいいよ？」
葵さんのその一言で…楽になってた。