好き？嫌い？ ARS.NK (ページ9)

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松本「ゆみさん。動かないでね？
怪我したら大変だから」

「……」

……もう。終わりだ。
素の私が出てしまった。
このままここいても辛いだけ…。

松本「ゆみさん？どうした？
やっぱり具合悪かった？」

「……帰るね」

松本「ちょっ。どうしたの？」

カランカラン……と真っ暗の中
店内のドアが開く音。

松本「すみません。今停電しちゃってて」

二宮「ゆみ？帰ろ？」

「……」

ザーッと雨が降る音が聞こえる。

え。
二宮…そんな中…ずっとお店の前にいたの？

松本「え？ニノ？え？ゆみさんのこと
知ってるの？」

「……」

二宮「俺の上司だけどイケメン好きだから
困るんですよー。
けどすぐ俺のことに戻ってくるけどね？」

「…に、のみや」

真っ暗の店内の中で二宮の靴の音が
近づくのが分かる。

二宮「タクシー待ってるから。帰ろ？」

「……うん」

松本「……待って」

「……」

松本「…ニノと。付き合ってるの？」

「……」

松本「ゆみさん？」

二宮「こんな暗闇で話すことじゃないでしょ？」

「……付き合ってるよ」

松本「……」
二宮「……」

「……にのみ、和也。行こ？」

二宮「そう言うことなんで。また来るわ」

松本「……」

潤くんがどんな顔をしてたのか
なんて分からない。
ただ…この大雨の中こんな私のために
外で待っててくれた二宮をどうにかしてあげたかった。

タクシーの中。会話はない。
ザーッと大粒の雨がタクシーの窓を
叩きつけてる音。
運転席から聞こえるラジオの音。
ワイパーの音。

何も言わず二宮を家に上げる。
二宮のスーツから微かなタバコの匂い。

「……ありがと」

二宮「お役に立てました？」

「……うん」

二宮「シャワー。借りていい？
気持ち悪い！限界！」

「……二宮」

二宮「クフフ。和也。さっきはそう呼んだ
でしょ？」

「……私ね。気付くのが遅かったのかな。」

二宮「……」

「……好き。潤くんじゃない。
確かに潤くんの事好きだった。
けど…貴方が、好き…んっ？！」

気付いたら。
全身びしょ濡れの二宮から
抱き締められて……

2人の唇が重なってた……。