好き？嫌い？ ARS.NK (ページ7)

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「………」

目が覚めたら…
隣に二宮が……とかのシチュエーションじゃなかった。

いつのまにか寝てたらしく
二宮の姿も見当たらかった。

私はちゃんとベッドに寝てて
うーん！！っと背筋を伸ばして
リビングへ。

「……勝手に帰んないでよ」

寝起きのおばさんの顔なんか
見たくなかった？
心の中でため息をついて
浴室に行くと……「……」誰も居ないと
思ってたはずの浴室からシャワーの音。

「……勝手に使う？？」

まだ二宮が居たんだ…と何故か
ホッとしてそーっと浴室のドアを閉める。

伊達に43年間オンナ一人で生きてはいない。
ちゃんと自炊だってする。
とりあえず二宮がお風呂から上がるまでに
軽く朝ごはんを用意した。

二宮「おはよ」

「おはよ。って言うか！勝手にお風呂
使わないでよ！」

二宮「だってー。気持ち悪かったんだもん！」

「…もん！じゃないの！ほら、ちゃんと
髪乾かして！」

二宮「…ほんと、ねぇちゃんみたい」

「何か言った？！髪乾かしたなら
ご飯出来てるから適当に食べてね！」

二宮「やった！ゆみさんの手料理♡」

久々だな。朝からこんな会話。
弟がいたらこんな感じなのかな…。

けど二宮から微かに香るシャンプーの匂いに
ドキッとしたのは…内緒。

結局……何も起こらなかった。
二宮にとって本当に私はお姉さん的存在らしい。

二宮「…今日も潤の店行く？」

「…多分？」

二宮「じゃ、一緒に行こ？」

「何で？」

二宮「ふふっ。潤が俺とゆみさんの
ツーショット見てヤキモチ妬くかどうか！」

「……」

確かに。
潤くんと二宮が同級生なら…
少しは…ヤキモチ妬いてくれるかな。

なんて…

その時の私はその位の考えだった。

すでに恋の魔法にかけられてるとは…
誰も知らずにいた。