遠くて近い、私の太陽 2 【日向翔陽】

＊ ページ37

「やるじゃん、日向翔陽」


「奈央ちゃんはそろそろちゃんと話してくれてもいいんじゃない？」


代表メンバー発表があってすぐ、奈央ちゃんに会った。


おめでとうを言ってくれて、


すごく幸せな気持ちになった。


「宮の侑との話？」


「うん、まだ宮の侑って呼んでるの？」


「うん」


「ええ？侑さん泣いてないの？」


「まあ、毎回文句は言われる」


「仲良すぎ、」


付き合ったらしいでって治さんから聞いたんだよ私。


奈央ちゃんから聞きたかったよ。


「オリンピック楽しみだね」


「楽しみだけど、侑さんとの話聞かせてよ」


「付き合ってるよ」


「浅いな…侑さんも代表おめでとう」


「伝えとく。」


ジャッカルの人たちは、お付き合いし始めたことを


最初侑さんの気のせいだと思ってたらしくて


話をほとんど聞き流してたらしい。


最近翔陽くんから聞く話はとても楽しそうで、


奈央ちゃんが奈央ちゃんらしく居れる人と


出会えて良かったなって心の底から思う。


「ねえ」


「なにー？」


「これから宮の侑がそっち行っていいかって」


「練習終わったの？」


「うん。日向翔陽もいるって。」


「もちろんいいよ。」


2人でカフェを出て待ち合わせ場所に。


どれくらいで着くかな。もうちょっとかかりそう。


「お姉さんたち今何してるのー？」


軽い声が上からかけられて、


見上げると知らない男の人が2人。


やだなあ、奈央ちゃん美人だからってもう。


慣れてるのかガン無視決め込む奈央ちゃんに対して、


初めてだからちょっと伺ってしまった。


「決まってないなら俺らと呑むのどう？」


「奢るしさ」


男の人の手が肩に乗る


うわ、それは


「ちょっとやめて」


「えーなんでいいじゃん」


もう1人の人が奈央ちゃんの肩に手を回す


最悪だ、翔陽くん早く来て


「A！！」


大きな声が聞こえて振り返る。


男の人たちが見えてないくらいの勢いで突っ込んでくるから


慌てたように2人が離れた。


「ごめん！お待たせ！」


「奈央ちゃん！すま「遅い」


「ほんとにごめん。大丈夫だった？」


「私は大丈夫。お疲れ様。」


触られてたよな、ほんとにごめんって謝りながら


「え」


「翔陽くんここ外」


「あ、ごめんつい。」


「大丈夫大丈夫、ご飯食べ行こ？」


抱きしめてくれた彼をぽんぽんたたく。


照れた顔をした彼と手を繋いだ。


「奈央ちゃん俺らも」


「嫌」


「なんで！！」

＊→←＊

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す