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「それで何、二口くんはなんのキャンペーン中?」
「コイツは俺の周知キャンペーン中」
「だからうざったいってば」
「さすがに私も引くかも」
「おい」
移動教室、休み時間、ただ廊下をすれ違うだけでも
私に話しかけてきたり
顎を頭に乗せて歩いたり
正直邪魔でしかない行動が止まらない。
「昨日話したじゃん」
「俺らの間で納得いっても告白してくる奴が減るわけじゃねーだろ」
「私されないし」
「されてただろ」
「堅治の方が絶対されてるくせに」
「なに、やっぱ気にしてんの?」
「もう離れて」
不貞腐れたような顔の頬を軽くつねって仕返しする。
結構恥ずかしかったんだからね。
黄金川くんに『今日はいつにも増して仲良しですね!』
とか言われちゃうし。
クラスメイトには何を今更焦っているとか言われるし。
少しだけ女子の目線が怖かったし。
そろそろ夏が来る。
夏休みだ。受験勉強の山場。
堅治たちはインターハイ。
お互い忙しいのは分かりきった夏。
会う時間も少ないわけで
「でもA、うざいうざい言っておきながらずっと顔緩んでるよ?」
「言わないでひな!」
「へえ、やっぱり俺の事好きだよな」
「うるさい!」
だから、私の不安を消すようにしてくれて嬉しかった。
見せつけみたいになってるのはいただけないけど。
堅治への告白減るかな。
もし、減らなくても変わらなくても、
前より不安になることはなさそう。
堅治からの気持ちに自信持てるようになってきたから。
「うわ、また可愛い顔した。何考えてんの。」
「昨日のことだろ」
「昨日のって何!聞いてない!」
「ふたりともうるさい!」
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作者名:なつとん | 作成日時:2022年4月13日 1時