優等生なんか、なりたくない 2 【二口堅治】 (ページ3)

今日:11 hit、昨日:6 hit、合計:10,616 hit

53 ページ3

「えっ、あれはどうなったの？」

「ネット引っかかって落ちたからあっちの点」

「あ、あれは？」

「アンテナの外行ったからこっち」

こんなに早く来て飽きないかなとか、

実はつまんなかったらどうしようって思ったけど

ひなは隣できらきらした目で見ていた。

伊達工が出てない試合でも

こうやって聞いてくれて嬉しい。

「次だ！！」

相手の高校は条善寺。

初めて聞いた高校だ。

最初は自由なスタイルに翻弄されてたけど、

流石の鉄壁。

崩されることなく、その試合は終了。

面白かったな。動きが予想外というか。

それでいてちゃんと連携は取れてて、

関係性がわかる試合だった。

まだ次の相手決まらないけど、

隣で準決勝はもう始まってた。

烏野対白鳥沢。

烏野って去年春高出てた…

白鳥沢がずっと王者だったけど倒して進んだんだっけ。

また烏野も面白そうなチームだなぁ。

速攻の速さと幅、それにシンクロ攻撃も

宮城じゃあんまり見ない。

「今Aが見てる試合の黒い方、高伸くんが倒したい人がいるんだって」

「意外。青根くんにそういう感じのあるんだ」

「男の子だもん」

「誰とかわかんないの？」

「えっと確か…10番？」

「それ去年の情報だったら変わってるんじゃない？10番の子試合出てないよ」

「ほんとだ。後で聞いてみる！」

そんなこんな言ってる間に、

伊達工の相手が決まった。

青葉城西。去年の春高予選は負けてしまった相手。

でももう昔の結果は関係ない。

青葉城西がどれだけ強いとしても、

私は伊達工が勝つって信じてる。