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その日はたまたま私しか教室にいなくて、
お昼も食べ終わったから勉強していた。
「Aちゃん、呼び出し」
「え、私？」
入口を見たら男の子が1人。
確か…前同じクラスだったような。
委員会とかいう訳でもないし、なんだろ。
「あの、話があるので着いてきてもらっていいですか。」
「はい」
一言も交わさず着いたのは渡り廊下。
体育館があるところだから
昼休みは誰もいないけど、
私はちょっと事情が違う。
二口通ったら面倒そうだな。
どんな話にしろ妬かれそう。
妬くんだろうなって考えた自分にちょっとびっくりだけど
「あの、Aさん」
「はい」
「あ、まず俺のこと知ってますか」
「うん。2年の時同じクラスだった山田くんでしょ？」
ほっとしたように笑った顔を見て
去年何回か話した記憶も蘇ってきた。
「俺、Aさんのこと好きなんだ」
「え、「そりゃあ驚くよね、そんな話したこと無かったし、Aさん二口と付き合ってたし。」
「告白は凄い嬉しいんだけど…彼氏いるからごめんなさい」
「えっ、もう新しい彼氏出来たの？」
「え？」
新しい彼氏ってなんだ？
二口以外と付き合ったことなんてないし、
好きな人も二口だけなのに。
「最近話してるの見てなかったから別れたんじゃないかって俺らのクラスでは結構噂になってたんだけど、違うなら良かったよ。」
「良かった…？」
「Aさんの笑った顔好きだし、二口と付き合ってから柔らかくなったというか…もっと可愛くなったなって思ったんだ。告白しようと思ったのも今なら話しかけられるって思ったからだし。」
「私そんな関わりずらかったかな」
「そ、そういうことでは無いけど！でもやっぱり変わったよ。」
そんなに変わった気はしないけどな。
でもこれも二口のおかげ。
「別れたって聞いた時は俺にもって思ったけど、別れてなくて良かった。俺じゃそんな顔させられない」
「…ごめん。ありがとう。」
「いや、こっちこそ聞いてくれてありがとう。勉強してたよね？邪魔してごめん。」
「そんな…いいよ。」
教室に戻ってまた教科書を開く。
告白は素直に嬉しかった。
でも、私たち別れたって思われてたんだ。
自分のクラスは誕生日のこととかあったしないだろうけど
外じゃ話さないし、一緒に帰ったりもしないし。
少し、不安になった。
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作者名：なつとん | 作成日時：2022年4月13日 1時
