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「周りのやつらと仲良すぎんのは妬いたけどな」
「そんな仲良かったっけ」
どっちかって言うと二口の方が
ひなとかと話すテンポ早くて楽しそうだし、
周りの人にはいじられてたし。
「そこまで他のやつと話してるイメージ無かったから」
「妬いたんだ」
「おう」
「私は…」
こんなこと言っていいのかな。
めんどくさいというか、そういうこと思われたりしない?
「なに、言え」
「二口がひなとぽんぽん話してて楽しそう、とかあの写真みんな見たのかなってちょっとモヤっとした。」
なんで何も言わないんだろうって思ったら、
校門へ向かう道からそれた。
「えっ、ちょ。くるし」
きつく抱きしめられて、
抵抗しようにもさせてくれない力。
誰か来たらどうしよう、そう思うし
苦しいけど、離れがたい。
「二口?」
「…俺もっとお前と話したい」
「え、可愛いな」
「可愛いって言うな」
「勉強邪魔するとか思った?」
「俺、受験組じゃねえからして欲しいこともして欲しくないこともわかんねえし。」
こうやって真っ直ぐ伝えてくれることが
こんなに嬉しいとは。
空いてる手を二口の背中に回す。
私も上手くいえないけど伝えたい。
「休み時間1人でやってたのは、それが当たり前だと思ってて、でもずっとちょっとだけ寂しかった。」
「ちょっとだけかよ」
「そこは突っ込まないで。でも今日みんなとお菓子食べたりしてさ、久しぶりにひなと話したり、二口と帰ったりしてるのがすごい楽しいって気づいたんだよね。」
顔が見たくて身体を離した。
暗くてよく見えないけど、多分優しい目をしてる。
「かまって欲しい…かな。受験本格的になったら自分がどうなるかわかんないけど、でも今はもっとみんなと話したいし、一緒にいたい」
「わかった」
「ワガママかな」
「Aはそれくらいでちょうどいい。お前なんも言わねえからな」
「ありがとう」
やっぱり伝えきれなかった。
その分を抱きついて返す。
びっくりした雰囲気が伝わってきたけどとりあえず無視。
くっつきたいなんて、口が裂けても言えないから。
「誕プレ渡していい?」
「えっ、もう十分だよ」
「俺からなんも渡してねえだろ」
「ありがとう…」
小さな紙袋に入っていたのは
小さなトップのネックレス。
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作者名:なつとん | 作成日時:2022年4月13日 1時