優等生なんか、なりたくない 2 【二口堅治】 (ページ12)

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「…勉強するとは言ったけど」

誕生日だしいいかって気持ちが働いちゃって

そこまで勉強道具を持ってきてたわけじゃない。

図書室行こうかと思ったけど、閉館時間がある。

意外と騒がしい時もあるし、

何より誘惑が多すぎて勉強どころじゃない。

総下校の時間って、

勉強するのに教室使ってたら帰れって言われるのかな。

部活動してない生徒は居残り禁止とか言われるって聞く。

まあ、なんか言われた時に考えよう。

ひなも私が勉強するって思ってるから

気使ってくれて帰ったし。

二口が部活見に来いって言わなかったのも

きっと勉強の邪魔しないためって思ったからだろうな。

やる気がでない。

飲み物買うついで、というか買いに行くだけ。

青根くんから貰ったのはお昼に飲んでしまったし。

うちの学校の自販機は体育館に繋がる廊下にある。

アイスティーと、何故かスポドリを。

こっそり開いた入口から覗いた。

「黄金！前！前！」

「レシーブもっと早く動けー」

「ブロックの時、指先気をつけろ」

…私の方が邪魔だ。

熱気が溢れた体育館。

それ以上に熱の篭った声。

汗だくで、走ってて、

色んな部員に声をかけてて

その上、自分が1番動いてる。

声なんかかけられるわけないし、

気づいてもらうのも申し訳ない。

そっと扉から離れて走って戻った。

教室に入ってうるさい心臓を落ち着かせる。

こんなになったのは走ったせいもあるけど、

あんな二口を見たせいだ。

練習には真剣なところずるい。

なんか悔しくて、単語帳を開く。

なかったらあるのでやればいいじゃない。

何時に終わるのか知らないけど、

それまでに全部覚えてやる。

スポドリは隣の机に。

教室にいるとだけ連絡して

アイスティーを飲んで気合を入れた。