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「明日来るんだって?」
あの日から数日、
もう私たちの間には変わらない空気が流れていた。
「うん」
「お前がサボりとか」
「明日の授業そんな大事じゃないし」
「素直に見たいって言えよ」
「はいはい」
適当に受け流すのは、
恥ずかしいからとかじゃなくて慣れ。
最近、話すくらいじゃ照れなくなった。
「A」
「なに?」
「今日久々に帰らね?」
「部活あるでしょ?」
「待っててって言ったら?」
「先帰る」
二口って表情から何考えてるかわかりやすい。
その顔は拗ねてると怒ってるの中間かな。
「なんで」
「私の家まで来たら反対方向でしょ。二口の帰り遅くなる。」
「んなこと気にしなくていいだろ」
「私が送ろうか?」
「時間遅いから却下」
「ほら、私は先帰るよ。」
そう言ったら悲しそうな顔。
少し可愛くて無意識に手を伸ばす。
久しぶりに触った髪の毛。
サラサラすぎてムカつくのは変わらない。
「なんか元気出た」
「なら良かった」
「顔あかー」
「見ないで、じゃあ私もうか「やだーここ教室なんですけどー」
楽しそうな声に驚いて振り返ると
にやにやしてるひなを筆頭としたクラスメイト。
「見せつけんなよー」
「なんだかんだ仲良いんだから」
「二口が頭撫でられるとか新鮮だな!」
ずっと聞かれてたことに呆然としてると
腕が頭に乗った。
「まあ、付き合ってるし?」
「うわー!そういうとこ!」
「Aといる時は大人しいくせに!」
「うるさい!ひな帰ろう!」
「照れちゃってー」
カバンを引っ掴んで急いで教室を出る。
こんないじられ方したこと無かったから
完全に頭がパンクした。
「可愛いなーもう。」
「やめてよほんとに」
「Aの雰囲気が柔らかくなったからできることだよ」
「え?」
「前のAじゃ誰もいじれなかったねー」
「どういうこと?」
「二口くんと付き合いだしてからAよく笑うし、話すし、みんな絡みやすいんじゃない?」
思い返してみれば、
最近同じクラスの男子とも話す。
私からしたら大きな変化かも。
「告白されたことないとか前言ってたけどさ、A美人だし、全然男子に笑わないから近寄りがたかったんだよ」
「いやそんなこと「あるねー」
「そんなことより明日の話しようよ」
「いや、もっとAは人気者になってきた自覚持って!それで私だけのAでいて!」
「うるさ…」
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作者名:なつとん | 作成日時:2022年4月13日 1時