狂愛疾患

第23話 前半丸井side ページ28

丸井side

どういうことだよい……

〜〜朝〜〜
貴方「雅治、荷物持ってくれる？」

仁王「あ、ああ！！」

〜〜昼休み〜〜

貴方「ねぇ、髪結んで」

仁王「全力でするなり！」


少し前までこんなんじゃなかっただろ？

なんでAから仁王なんかに行くんだよ…

委員会で真田たちがいないから止めるやつもいねぇし

っていうか仁王だって1時間おきに来るんじゃねぇよ

Aに頼られたからってスライムみたいに顔がドロドロに緩みまくっててまじキモイ

仁王「どうじゃ？」

まるでヘアモデルみたいに綺麗にまとめられたAに仁王は満足そうに聞いた

貴方「うん、綺麗だよ。ありがとね」

なっ……

Aは満足そうに笑って仁王の頭を撫でるとアイツは恍惚な顔でスリスリと猫みたいにAの手に頬擦りしやがった

ダッッァン！！

貴方「ブン太？」

丸井「あ……A…」

やべ…Aに引かれる…なにか、何か言わねぇと…

そう思っても何も出てこなくて段々と目に涙が溜まってくる

貴方「大丈夫？」

わざわざ俺と視線を合わせるために立ち上がったAに愛しさと憎しみが混ざりあってうまく言葉が出てこない…

丸井「〜〜〜ｯｯｯ!!」

貴方「えっ？」

仁王「A！！」

どうしようもできなくて気づけば俺はAと手を繋いで走り出してた


貴方side

〜〜空き教室〜〜

ブン太に腕を引っ張られて着いたのは空き教室

貴方「ハァ…ハァ……ど、どうしの？」

ぐるり！と勢いよく振り返ったブン太は涙と鼻水でぐちゃぐちゃだ

丸井「A……俺、おれ………え？」

中3前のブン太は既に私よりも身長が高くて背伸びしてやっと視線が合うか合わないかくらい
それでも彼の首に腕に回して抱き締めればブン太は一瞬素っ頓狂な声をあげて思いっきり私の身体が持ち上がるくらい力強く抱き締めた

丸井「おれ、Aのこと大好き」

貴方「ありがとう」

丸井「Aのために傷つけないように我慢してる。それに、Aのためになんでもできるのに全部仁王が先にやるんだ」

貴方「うん」

丸井「でも、俺は上手く表現出来ないだけで仁王よりもずっとデケェ気持ちだから…」

ぎゅゅゅぅう……とまた私の体が強く締められる

正直滅茶苦茶苦しいけど言ってる余裕なんてない

貴方「ご、ごねんね…でも、私はありのままのブン太が好きだよ」

丸井「へ？」

パッと解放されて後ろに転びそうな時に腰を支えてくれた

丸井「うそ…だって…」


小さなリップ音が教室に響く

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