狂愛疾患

第16話 ほぼ幸村side ページ19

柳side

あえて"嘘"や"仁王"を口にして頭を撫でればAは糸が切れたように泣き始めた

ここまでAに影響を与えられるのは少し妬けるな

まぁいい、なるべく早く確実にAが俺に堕ちてくれればいいんだ

泣き終えたAはぽつりぽつりと話してくれた

仁王を説得したこと、合宿でAを襲ったのが忍足じゃなくて仁王と気づいたこと、忍足に謝ろうとしていること…全てを話してくれた

……例え仁王のイリュージョンに非がなくても仁王のせいだな

柳「それは辛かったな。可哀想に……だが、忍足に謝るのはまだ早いんじゃないか？」

貴方「え？」

可哀想だが、何としてもAが氷帝に行くことを阻止しないと…



幸村side

幸村「イリュージョンがバレた？」

やっと仁王を切り捨てる時が来た

元々初めから仁王の事は気に食わないし、許す気もまったくない

ここまで来れたのは仁王のおかげだけど、こうなったのは仁王のせいだ


とりあえず最悪な状況はなんだ？


最悪な状況は仁王のせいで俺がAに疑われることだ
そして俺のAが氷帝に行くこと

きっとそうなったら俺のAはもう二度と立海に帰ってこない……

やっぱり仁王はここで切ろう


そもそも俺の目標はAが俺を支えて、俺もAを支え、離れられないようになって、勿論愛しあって、結婚もして、俺の子供を産んで、最期は同じお墓に入って、来世は片時も離れずまた愛し合うことだ


それを邪魔するやつは誰であろうと絶対に許さない

仁王の顔を見ればどうやら憔悴しているようで生気がない

まぁ、どうでもいいけど

幸村「仁王、お前はどうしたい？」

仁王「俺はｯｯ……Aと元に戻りたい…友達でもええんじゃ！ただAに否定されとうない…ずっと必要とされて隣におりたい…」

元々友達じゃないだろ？

困ったな…やっぱり邪魔だ。到底手伝う気にもなれない

だが、ここで仁王を切ったら全て俺たちのせいにされるかもしれないしな

それは絶対に駄目だ。仁王を切るのは何時でもできる。でも仁王に恨まれるのもまずい


幸村「作戦は立ててあげる。だが、それを実行するのも解決するのはお前次第だ」

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