第21話 ページ25
貴方side
貴方「離して」
身をよじっても体はビクとも動かなくてポタポタと雅治雅治の髪をつたった水滴が私の頬や首筋に落ちてくる
でも、全然寒くなくて少し暑いくらい
仁王「嫌じゃ…いま離したら絶対に一生後悔する」
離さないと言う風にぎゅっと腕の力が強まる
貴方「風邪…ひくから」
そう言うと突然の浮遊感
雅治が私を横抱きにして走り出した
貴方「おろし…仁王「すぐ着くなり」
抵抗する気も話す気もなくて流されるがままに身を任せればいつの間にか丁寧に降ろされた
冷たい雨に打たれながらまゆっくりと顔を上げれば目の前には一軒家で雅治は私の手を引いて入っていった
仁王「風呂沸かしとったから」
その言葉と一緒に脱衣所から出ていった
あぁ…入れってことか……なんて思いながら脱いで素直に入る
温かいお湯が溶かすように心に入ってくるみたい
早く帰ろ
早く帰ってきちんと考えよ…そうだ冷静になったら色々見えてくるかも
とりあえず今は早くここから出て冷静になろう
ザバっと浴室から出れば近くの棚に灰色の服が置いてあった
誰のでもいいやと思って着たら男物ののパーカーだった
〜〜
貴方「お風呂、ありがとう」
タオルで髪を拭きながらリビングのドアを開けると
突然腰に衝撃
貴方「ちょ…雅治…」
雅治は膝立ちで私の腰に巻き付くように抱きついていて顔が見えない
仁王「A…俺はAの中で一番じゃなくていいと思っとる。だけどこれだけは分かってくれ…俺は絶対にAを傷付けることはせん…俺はAが全てなんじゃ……Aのためやったらなんでも出来る。だから…お願いだから俺を信じてくれ…俺は本当に真っ直ぐ純粋にAだけを愛しとる」
段々と語気が弱くなるのに反比例して抱きつく力が強くなる
苦しい位だ
冷静になる暇なんてないや
今は直ぐにこれをどうにかしないと
貴方「……うん」
なんて答えればいいのかわかんなくて彼の濡れている頭を撫でながら頷くと雅治は勢いよく顔を上げた
目が赤い…泣いてるんだ
仁王「…こ、これからも隣におっていいんか?」
弱々しく掠れた声で真剣に聞いてきた
………………
貴方「私の隣に居たいの?」
見下ろしながら聞けば彼は心底嬉しそうに激しく頷く
貴方「私は雅治に何も出来ないしお返しもしなくていいの?」
仁王「ああ!全然構わん…傍におさせてくれるだけでありがたいんじゃ!俺の居場所はAだけぜよ」
私の居場所はどこ?
貴方「わかった」
ごめん、侑士
93人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
みょん助(プロフ) - 無名さん» 初コメありがとうございます😭褒めてくれてとっても嬉しいです。きっと最終も馬鹿みたいに長くなるので安心してください。更新頑張ります!! (2022年8月18日 23時) (レス) id: 3e82d7f712 (このIDを非表示/違反報告)
無名(プロフ) - 初コメ失礼致します!いつもこの作品を愛読させていただいてました!2年だなんて…!!すごすぎます!最終なのはちょっと悲しいですが、更新がんばってください! (2022年8月18日 21時) (レス) id: b80ccc6ac9 (このIDを非表示/違反報告)
みょん助(プロフ) - 後輩@赤紫さん» ありがとうございます!!これからも頑張るのでよろしくお願いします🤗🤗 (2022年7月23日 13時) (レス) id: 3e82d7f712 (このIDを非表示/違反報告)
みょん助(プロフ) - かるぴんさん» ありがとうございます!すっごく嬉しいです!言葉に出来ないくらいに!!私も大好き!これからもよろしくお願いします🤗🤗 (2022年7月23日 13時) (レス) id: 3e82d7f712 (このIDを非表示/違反報告)
後輩@赤紫(プロフ) - お誕生日おめでとう御座います!✨🎂🎉遅すぎましたかね😇受験と夢小説、頑張ってください!😘 (2022年7月23日 12時) (レス) id: 6538b0c01d (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:みょん助 | 作成日時:2022年3月8日 15時