失態 ページ39
「うわぁーん行きたくないよーーー」
愛用のクッションをぎゅっと掴む。
(なんで今日も濱家さんいるの！！！！)
私は昨日の失態を思い出して、ボフッと顔を埋めるた。
─────────────────
バシャッ。
「あ、」
「うお！冷た！」
「…」
「…」
「うわああああああああ！！ごめんなさい！！え、えと、たおる！タオル持ってきます！」
急いで容器を置き、すぐ近くにあったタオルを掴む。
「ほんっとうにすみません！どうしよう… 、？！あ！クリーニング代払いますっ、！」
「いやいや！お茶やし、普通に洗えば落ちるからええよ笑」
「で、でも！」
「ほんまに大丈夫やから、な？あと帰るだけやし」
「…すみません、」
─────────────────
結局、濱家さんの優しさに甘えてしまって、昨日はそのままお別れしたけれど…
「おはようAちゃん」
「おはようございます！昨日はすみませんでした！！」
バッと頭を下げて、目を瞑る。
「ええよええよ！逆にそんな謝られたら、俺がすんごい怖いやつに思われるやん笑」
ぽんっと私の頭に手を乗せて、微笑む濱家さん。そんな彼の優しさに甘やかされて、こんなの、
「好きになっちゃうじゃん…」
「ん？」
目を逸らして呟いた私に、相変わらず濱家さんは、女の子を落とすには完璧な笑顔を見せる。
「い、いえ！許してくださってありがとうございます！やっぱり濱家さんは優しいですね」
「そう？でもこうやって、Aちゃんと話せて嬉しいなーって思ってるんよ」
「え…？」
一瞬、耳を疑うような濱家さんの発言に固まる私に、さらに衝撃的な言葉が重なる。
「あ、そうや！俺がやっぱ許さへんって言ったらどうする？」
「え、え、それはもう、やっぱりお金を…」
「ううん。お金やなくて、俺と一緒にご飯行かへん？今日の夜とかは？空いてる？」
話が思わぬ方向に進みすぎて、頭が真っ白になる。
「…あ、あぁ！夜？ですか？行けー…ます！はい！大丈夫です！」
そう咄嗟に答えてしまい、後悔する。
(今日メイクも適当だし、服も可愛くないし、どうしよう…？！)
「よかった。ほんなら夜、楽しみにしてるわ」
にやりとしてから、背を向けて歩いていく濱家さんをぽかんと見つめつつ、今の言葉を反芻する。
「っ〜〜〜〜〜！！！ずるいって！」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 18人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：みぃこ | 作成日時：2023年3月28日 18時
