Hmieさん短編集 (ページ9)

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顔ページ9

「はーまいーえさん」

ドアを少しだけ開けて楽屋の中を覗くと、彼はビクッとして、

「うお、びっくりしたぁ、Aちゃんか」

とこちらを向く。

「えへへ、今日も来ちゃいました」

彼の顔を見れたことが嬉しくてつい頬が緩む。

「うんうん、今日も濱家さんのお顔が見れたので大満足です！」

じーっと彼の顔を見つめてひとり納得していると、

「なんやねんほんまに。何しにきてんねん笑」

と彼からのツッコミが入る。

「わー！！濱家さんにツッコんでもらえるなんて光栄です！」

そんな甘いとは言えない返答にもこんなに嬉しくなるのは、彼のことが大好きだから。

「私、山内さんにボケを教わろうかな…」

なんて冗談を言うと

「ほんなら俺の相方なる？」

とちょっぴり意地悪な顔をして彼は私をからかう。それなら、そこに乗っかっちゃって。

「相方よりも…私はずっと濱家さんの隣に居たいです」

勇気をだして自分の想いを口に出す。すると濱家さんに腕を掴まれ、彼のもとへグッと引き寄せられる。突然のことに慌てて、距離を取ろうとすると今度は肩を掴まれ、

「なぁそれってどういう意味？」

と至近距離で問われる。あまりの距離の近さに戸惑わないわけもなく、私がうまく答えられずにいると

「早よ答えてや」

と先程よりも意地悪な笑みを浮かべる彼がいた。