Hmieさん短編集 (ページ46)

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「っ？！」

慌ててパッと目を開くと、横から勢い良く抱きつかれる。そのときふわっと香った懐かしい匂いに、それが誰なのかすぐにわかった。

「あぁよかった。生きてたんやな」

大げさなセリフを吐く彼は、痛いほどに私を抱きしめる。

「は、濱くん？」

「ほんま、よかった…連絡つかへんから心配したんやで？」

手の力を緩め、私と顔を合わせた濱くんは、ボロボロと泣いていた。

「ご、ごめん、電源切ってて…」

指でそっとその涙を拭うと、濱くんはいきなり噛み付くようなキスをしてきた。

「ん、ぅ、、んぅ、は、」

私が必死に息をしていると、彼はまたぎゅっと力強く抱きしめてくる。

「ごめんな…忙しいいうても、こうやって会いに来ればよかったんやな」

涙声で、肩に顔を埋めながらつぶやく彼に、私も言葉を重ねる。

「ううん、こっちこそごめんね。私からも、会いに行けばよかった」

こうしてお互いの体温を感じるのは久しぶりで、私も自然と涙が出てくる。

「はは、もうだいぶ飲んでんな？」

ちらりとテーブルの上の空き缶を見て、彼が笑う。

「…会えなくて寂しかったから」

目を逸らし、わざとらしく拗ねてみせると、

「ごめんなぁ？」

と大きな手で私の頬を包み、今度は触れるだけの優しいキスをする。

「俺、明日休みやから、ずっと一緒におろうな？」

「え！ほんとに…？！濱くん独り占めする～！！」

酔いが回っているせいか、いつもは恥ずかしくて言えないようなことも素直にいえる。

「俺も。Aのこと、独り占めさせてもらうわ」

そう言って、にやりと笑ったその時の彼の顔が、やけに記憶に残っていた。