Hmieさん短編集 (ページ35)

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眠れない日もページ35

「っは、！…はぁ」

悪夢で目が覚める。いつの間に帰ってきていたのか、隣で濱くんが寝ていた。起こさないようにそっとベッドを降りて、キッチンへと向かう。コップに牛乳を注ぎ、ピッとレンジの温めボタンを押す。

「はぁ、」

ちびちびと飲みながら、さっき見た夢を思い出す。

"なんであんたみたいなのが付き合ってんの？"

"幸せになれるわけ無いじゃん"

"自惚れんな"

数々の罵声を浴びせられ、その中で私は追い詰められ、蹲っていた。

(しかも、嫌いな人から言われるって、どんだけついてないの)

はぁ、とまた溜息が出る。30分ほどして、眠たそうに目を細めた濱くんがキッチンへやってきた。

「……A？」

「あ、ごめんね、すぐ戻る」

そそくさとコップを洗い、一緒に寝室へと向かう。濱くんはいつもそう、何を嗅ぎつけているのか、私がこうして不安になっていると、すっと側にいてくれる。

「ん、おやすみ。」

「おやすみ。」

後ろから抱きしめられながら、目蓋を閉じる。

「大丈夫、Aはなんも心配せんでええよ」

そんな優しい声が耳元で聞こえたのを最後に、私の意識は途切れた。