Hmieさん短編集 (ページ29)

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笑顔ページ29

(あ～！！もう楽しみすぎる！！)

楽屋までの廊下を歩きながら、思わずにやける。今日は念願のかまいたちさんとの共演だ。ワクワクしながら、コンコンっとノックをする。ドキドキする。
返事が来たのを確認して、思い切ってガチャリとドアを開ける。山内さんと濱家さん、二人の顔を見た瞬間、緊張がマックスになる。

「あ、あああ、あの！本日共演させていただくAAです！よ、よろしくお願いします…！」

勢い良く頭を下げて、視界から二人を消す。

(やばいやばいやばい！！本物だー！！)

今、この場にいることが信じられなくて、脳内が忙しい。

「あぁどうも、かまいたちです～。こちらこそよろしくお願いします」

ゆっくりと顔を上げると、二人とも立ち上がって軽く会釈してくれる。

「いやほんと、実際に見てもお綺麗ですね。今は、月9出演されてますよね？」

山内さんが緊張をほぐすためか、話題を振ってくれる。

「はい！ありがたいことに、最近ドラマのお仕事が増えてきてて…」

山内さんとの雑談が盛り上がる中、対面に座っている濱家さんは、あまり興味がないのか、スマホをいじりながら、時折こちらをちらっとみる程度だった。

「あ！すみません！長々と話し込んでしまって…」

「いや全然ええですよ。それじゃまた後でよろしくお願いします～」

山内さんとの話を切り上げ、それぞれにまた軽く会釈をして楽屋を出る。

(山内さんとお話できたのほんと夢みたい！！！話も面白かったし聞き上手で、やっぱり芸人さんはすごいなぁ)

ほわほわとした気持ちで廊下を歩く中、濱家さんの顔が浮かぶ。

(あの反応見る限り、多分私あんまり好かれてないんだろうなぁ、)

悲しい想像をして、少し気分が萎みつつも、自分の楽屋へと戻った。