Hmieさん短編集 (ページ1)

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新人マネージャーページ1

コンコンっと楽屋の扉を叩き、中に入る。この瞬間はいつも緊張する。

「濱家さん…」

控えめに彼の名前を呼ぶと

「ん？あぁAさん」

私がさん付けで呼ばれているのは、まだ彼の専属マネージャーになってから日が浅いからだろう。
少し寂しい気もするけれどこれは仕方がない。

「あの、スケジュールについてなんですけど、変更になったみたいで…それをお伝えに、」

目を合わせないようにボソボソとつぶやくと、やはり彼には聞こえてなかったようで。
こちらに近づき、背の低い私に合わせて屈んでくれる。
そんな彼の何気ない優しさが苦手で、私はいつも少し後ずさってしまう。

「ごめん、もう一回言ってくれへん？」

ごめんなぁ、ともう一度謝り私の言葉をじっと待ってくれる。

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私はなんとか連絡事項を伝え終わり、ほっと一息吐く。

「ん、了解。ありがとな」

そう言って微かに笑ってくれる、その顔がまた苦手。
けれど今回は、私に背を向けて椅子に座り直そうとする彼に焦りを感じ、慌てて呼び止める。

「あ、あの…！もしよかったらこれ…」