身長まとめ ページ22
「大きいなぁ」
一緒に歯磨きをしながら、鏡に映る彼氏を見て改めて思う。
「Aが小さいんやろ」
私のお腹辺りに回している彼の腕に、少し力が入る。
「えーでも150はあるよ?」
「いや、俺それより30は高いからな。なんなら40やから」
ツッコむ彼をみて微笑ましく思い、彼の手に自分の手を重ねる。
「いつか追いつけるように頑張る笑」
なんて冗談を言い、歯磨きを終えて洗面所を出る。
「え、ちょ、待ってや」
後ろから聞こえる焦った声に、私はクスリと笑みをこぼした。
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「あとちょっと…!」
精一杯背伸びをするが、やはり手が届かない。久しぶりに断捨離をしようと、棚の中のものを漁っているが、身長が160にも満たない私では、なかなかうまく行かない所もある。
「ん?何してるん?」
そろそろ助けを求めようかと思っていたところで、ちょうど濱くんが現れる。
「ちょうどいいとこに!この中のもの取り出したいんだけど、届かなくて」
お願いします、と手を合わせ、チラッと彼の様子をうかがうと、
「俺のデカさが役に立つときやな」
なんて得意げな顔をしていた。
「ほい」
「ありがと〜!」
いくつか取り出してもらい、床に置く。
「手伝おうか?」
と気にかけてくれる彼を
「いいよいいよ、濱くん疲れてるでしょ?」
と背中を押して無理矢理ソファに座らせる。
「そんな大丈夫やって。Aは心配しすぎや」
「濱くんに言われたくないなぁ、」
ことあるごとに電話してくる彼の態度に比べれば、私は全然だと思う。
「Aは女の子やろ。もし誰かに襲われたりしたら抵抗できへんやん。やから心配してんねん」
そう言って、私の手を取り見つめてくる彼。いつもは到底届かない彼の頭を、安心させるように私はそっと撫でた。
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作者名:みぃこ | 作成日時:2023年2月16日 15時