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パパ、パパ･･･！
そう叫びながら目を覚ました場所は公園の茂みの中。
私は今、追手から隠れている。
相手は実母の再婚相手の男とその仲間達、総勢100名。
こんな状況になってしまった理由を説明しよう。
ママは物心ついた時から家にいることが少なかった。
キャバ嬢で色々仕事をしていたのは知っていたが他に男と会っていることも幼いながらに知っていた。
そしてパパもそれを知っていた。
パパはそんなママと結婚した割にはまともな人だった。
大手企業の平凡なサラリーマン。ルックスも特に悪くはなかったと思う。
パパとママは幼なじみで中学からずっと付き合っていたのだとか。
そして社会に出てママは世界の広さを知ってしまった。
夢に向けてお金を貯めるため始めたキャバクラでの仕事でママは今付き合っている奴と知り合い、パパに別れを告げた。それは私が5歳の時。
そんな事をされても尚パパはママのことが好きだった。パパは離婚届に押印せず、浮気相手の男を訴えると言った。
するとパパは殺された。
言うだけなら一瞬だ。私はそれを目の前で見ていたのだ。
廃屋に連れて行かれ、パパは高い天井に逆さに吊るされた。
浮気相手は恐怖で涙するパパの足に薬品をかけた。
ジュウジュウと肉体が溶ける音と共に聞こえたパパの悲鳴は８年経った今でも鮮明に覚えている。
足に巻かれていたロープまで溶け、パパは頭から地面に落下する。
そこで即死であればパパは苦しまずに済んだのに。高さが足りず首の骨は折れたがまだパパは生きていた。
体が動かないので抵抗できないパパは足元から体を溶かされていき、胸の下まで溶け切ったところでようやく息絶えた様子だった。
その後は同じ薬品でパパは全身溶かされ海に捨てられた。
私はそれをママの膝の上で見ていた。恐怖で泣くことすら出来ずに。
当時まだ私に愛着があったママはパパを殺した後そのまま浮気相手の家へ行きそこで暮らし始めた。
その男は純粋に私を可愛がっていたがそれもその時だけだった。
5年後、完全に私に愛想を尽かした男とママはネグレクトやDVを始めた。
そしてその生活が3年も続いた。
それに耐えきれなくなった私はこの間、私の腕を掴んでいた母の手を振り払ってしまった。
それに激怒した男とママは知り合い総出で私を殺そうと今探し回っている、という訳だ。
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作者名：あんころもち | 作成日時：2021年9月13日 22時
