花氷が溶ける頃 (ページ18)

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16話ページ18

爆豪side

帰り道ー。

日は落ちて辺りは暗闇に包まれている

妃「爆豪君、今日はありがとう。」

歩き出してしばらくした時俺の隣を歩く先輩は
少し嬉しそうに微笑んだ。

あんだけ目立つのを嫌がってた割に
そこら辺はもうあまり気にしていないような
素振りにそこはかとない違和感を感じた。

視線に敏感な割には
どこか注目され慣れているような雰囲気がある

その上、メガネと三つ編みで
陰キャのナードが第一印象だったが

頭のてっぺんから爪の先まできちんと手入れされていて
良いところの人間である事は一目瞭然だった。

そして、何より。
学校を出てから視線を感じる。

隣の先輩が気づいているかは知らねぇが
かなり尾行なれした人間のものであるに違いねぇ。

殺気や敵意がない分気づきにくいが
一応気をつけておくべきだろう。

妃「ここまでで大丈夫よ、ありがとう。」

そう言って先輩が立ち止まったのは
この間俺たちがぶつかった曲がり角で。

爆豪「は？」

家まで送るもんだと思っていた俺の口からは
気の抜けた声が漏れた。

妃「ここまでは車で迎えに来てくれるから。」

そう言った先輩の後ろにこの間の黒塗りの車が見えた。
車内は見えないが運転手と、多分あと1人。

この先輩も含め、確実に一般人ではない

爆豪「、っおい、、アンタ。」

呼び止めようとするが先輩は曖昧に笑って
車に乗り込んでしまった

そのまま急発進した車は
あっという間に俺の視界から消え去った

爆豪「ッチ。」

やりきれない思いで振り返った時
今まではいなかったはずの場所に人影が。

爆豪「誰だ、テメェ。」

ここまで至近距離で気配を悟らせなかったそいつに
只者ではないと本能が言う。

そして、恐らくコイツがさっきまでの視線の主。

爆豪「さっきから俺らの事をジロジロと
見てたのもテメェだろ。気配がダダ漏れなんだよ！」

手から爆破を出して威嚇すると
相手もファイティングポーズをとって臨戦態勢に。

相手の蹴りが一閃したのを皮切りに車道へと躍り出て
爆破を浴びせる

爆煙に紛れて手が伸びてくる

それに何とか反応し相手が被っていたフードを取ろうと手を伸ばす

が、はたかれて阻止される。

と、その時。突風が吹いて
相手のフードが少しずれた。

真紅の瞳と視線がかち合ったと同時に
距離を取られそのまま逃げ切られてしまった

結局そいつが誰だったのか分かるのはもう少し先の話。