9話 ページ11
読み始めて数分後。
？？？「まあ、前のよりはいんじゃねぇの。」
開口一番。
これは、お気に召したという事で良いのだろうか。
そう疑問に思っていると、彼が口を開いた。
？？？「じゃあ、この3冊貸出。」
そのまま本をこちらに差し出す。
妃「ごめんなさい。私、図書委員じゃなくて。」
本を彼の方へと押し返すと
唖然とした顔でこちらを見た。
？？？「は？おま、図書委員じゃねぇんか。」
余りの間抜け顔に少し笑みがこぼれる。
妃「本当は、図書委員
やってみたいんだけれど、ね。」
私の小さな呟きに、司書さんが頷いた。
司書「私も妃ちゃんが図書委員だったら
安心して任せられるんだけどねぇ。
お家が厳しいらしくてね。
暗くなる前には帰らないといけないんだと。」
その言葉に彼はあぁ、と声を漏らした。
？？？「だから、あんな重装備で登校してたんか。」
重装備。その言葉でわかった。
あの黒塗りの車のことだろう。
やはり見られていた、
その事実に背中に汗がつたう。
妃「、、、その事、内緒にしてくれない。」
拳を握って、彼に頼む。
？？？「別にテメェのことなんざ興味ねぇし言わねぇよ
大体名前も知らねぇやつの
登校事情なんて誰も興味ねぇわ。」
彼の言葉に顔を上げる
ぶっきらぼうな言葉だけれど、約束してくれた。
その事実に肩の力が抜けていくのが分かった
司書「そういえば、お互いに自己紹介も
していないんじゃないのかい。」
彼の言葉で気がついたのか司書さんが
自己紹介を提案する
妃「妃祷。2年C組所属よ。」
爆豪「爆豪勝己。1のA。」
彼の言葉に私は引っかかりを覚えた。
妃「A組、、、ってあなた、ヒーロー科なの！？」
ヒーローとはかけ離れた言動に思わず驚くと
彼が不満そうにこちらを睨んだ。
爆豪「大体、あんた、先輩だったんすか。」
言外に先輩の威厳がないと言われているようで
眉がひきつるのがわかる
そんな会話をしていた時。
司書「ヒーロー科、、、。
二人とも、私からひとつ提案があるんだけどね」
司書さんがおもむろに口を開いた
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作者名：ゆるふ | 作成日時：2022年2月11日 9時
