花氷が溶ける頃 (ページ2)

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1話ページ2

桜の舞い散る春のこと。

今年も元気な新入生たちが
グラウンドで叫ぶ声が聞こえる。

「あ～、今年のイレイザーヘッドのクラス
またやってるよ。」

そんな声とともにグラウンドを見ると

クリーム色の爆発頭が
なにやら叫んでいるのが見えた。

「元気ね。」

口の中で小さく呟いた言葉と共に
桜が大きく舞い上がった。

大きく開いた窓からヒラヒラと桜の花弁が入ってきて
私の視界をピンクに染める

その美しい光景が何かの前触れかのように思えて

もう一度グラウンドの外を見ると先程の男の子が
何やら先生にお叱りを受けているところだった

個性を使うとはいえ、体育測定。

そんなに揉めることなんてあるのだろうか

頭に湧いた興味もなにかの予兆を感じ取った事も
先生が教室に入ってきたことにより
あっという間に掻き消えた

これは彼と出会う前

まだ私が三つ編み眼鏡の頃である。