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はじめ side
2号室にいるようにとAさんに言って、いつものメンバーのいる部屋に向かった。
階段を登り、壁の隙間からみんないることを確認して声を出す。
は「みんなに話がある」
いきなりのことでメンバーは固まっており、俺は少し恥ずかしくなって鼻をこすった。
は「とある女性を、俺は匿うことにした」
はぁ!?とメンバー全員が座っていたパイプ椅子をなぎ倒しながら立ち上がった。
だ「どういうことはじめ君!」
た「女性って、まさかあの!」
や「えっ!たなっち知ってるんですか!」
と「どういう人ですか!」
急にワイワイガヤガヤして、それを俺は拍手で止める。
は「実は……」
俺はお寿司を食べた店での出来事を嘘偽りなく話し、Aさんという女性を匿うことにした、と本心を言った。
た「俺はあんまり賛成できません、だってあんな姿の……」
は「今は見違えるようになった。連れてくるから、惚れるなよー?」
みんなドキドキワクワクしているようで、身だしなみを確認しはじめた。
俺はそのうち2号室に戻ってAさんを呼び、挨拶するように促した。
Aさんを連れて、階段を登りみんなに姿を見せる。
「須賀Aですっ、よろしくお願いします!」
Aさんも緊張していたが、問題はみんなだ。
た「……」
だ「……」
や「……」
と「……」
言葉を失って立ち尽くしていた。
や「バチクソ美人やないかいッ」
やふへゐ君が自分のおでこ目を覚まさせるように突っ込みを入れる。
た「はっ!お花畑が見えた……」
だ「やばッッ、えっ、やばッッッ」
と「べっぴんさんですね〜、モデルさんですか〜?」
とそれぞれの反応を俺は楽しんだ。
は「……ということで、みんなよろしくぅ」
「よろしくお願いします!」
挨拶を終えるとすぐにAさんが朝ごはんを作り始めた。
『コンビニなんてダメですよっ』
と、寿司一皿しか食べなかった人間の口から言える言葉ではないと思うが……。
Aさんの作った味噌汁とご飯(インスタント)と、目玉焼きは誰でも作れるのに、涙が出るほど美味しかった。
チンするだけのご飯(インスタント)でさえも、
炊きたてのホカホカのご飯かと思った。
みんな絶賛していた。
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作者名:999 | 作成日時:2019年6月4日 2時