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はじめ side


「お酒は強い方ではないので、弱いのだけ買いました」


確かに袋の中身を見てみると、ほぼジュースのようなお酒しか入ってない。


「それにはじめさんも、明日はお仕事があるので飲み過ぎないようにね」


俺のことを気遣ってくれる女性がいるなんて……。


「じゃあ、乾杯」

は「乾杯!」


カン、とほぼアルコールの入っていないジュース同然のお酒の入った缶がいい音を鳴らす。


.


短い夜かもしれないけど俺にとっては夢のような時間で、たった1分でもとても長く感じられた。


そして、Aは出来上がった。


「はじめさぁん」


俺を惑わすような甘い声が耳に響き、Aのシャンプーのいいにおいが俺の鼻をくすぐる。

お酒が入ってるせいか、変に意識してしまう。


「へへぇ〜……かんぱぁい」


カン、カン、と2度鳴らされた乾杯の合図。

……これは何度目だろう?


は「A飲みすぎじゃ……」


俺がAが持っているお酒を取り上げると、なんと半分残っていた。


は(これ、めっちゃ弱いやつや……)

「あぁー、意地悪だなぁ」


そしてまた別の缶を開けて、グビグビ飲み始めた。


「んぁー……痺れるぅぅ」

は「A、もう寝よう」


Aの肩を抱いて立たせようとすると、ふらりとよろめき俺に抱きついてきた。


は「!?」

「へへ〜ごめんなさぁい」


彼女は、少し照れながら笑った。




俺の、理性は限界だった。



気が付いたらAの唇に自分の唇を這わせていた。


「ん」


首を舐めて、吸った。


何度も。


小さく甘い声を漏らすAに無性に興奮した。


もっと、


「んぁ」


もっと。


は「っは」


首筋には赤い花がいくつも咲いた。

綺麗だ、そう思って目が覚めた。




とんでもないことをしてしまった。

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作品ジャンル:恋愛
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作者名:999 | 作成日時:2019年6月4日 2時

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