12. ページ13
.
はじめ side
数日後、Aは全回復した。
「お騒がせしました」
仕事の疲れと、ストレスが原因っぽい。
俺は、Aに仕事を辞めるように言った。
は『体壊してまで働くなら、俺に養われてろ！』
"一生"という言葉を入れたかったが、それだとプロポーズになってしまうので言えなかった。
Aは反論してきたが論破して辞めさせることに成功した。
でも、23歳の女性が一文無しというのもなんだか嫌だから、家事をやる代わりに1日2500円を与えるという条件つきで辞めさせた。
Aは『時給悪いけどまた体壊して迷惑かけるくらいなら、安くてもいっか』と無邪気に笑っていた。
そして、俺の生活は変わった。
いつも同じ時間に愛しの人(片想い)からの(ラヴ)モーニングコール。
美味しくて健康な朝ごはん。
は「A〜？俺の、ワイシャツってどこ〜？」
「どうぞ」
いい香りのする、アイロンでシワが１つもない真っ白なワイシャツ。
綺麗に片付いた部屋。
……これ、新婚さんやろ。
結婚するしかねえぇ！！
は「だいち君どうしよおおおぉ！！？」
1番信頼できる友達のだいち君に相談を持ちかけた。
畑メンバーはたて面以外、全員俺がAにお熱なのを知っている。
みんな帰って静まり返った部屋に俺とだいち君の声だけが響く。
だ「なに」
は「Aと結婚したい……イチャイチャしたい……」
だ「まだ付き合えてないんでしょ？」
は「……うん」
だいち君は、鼻で笑った。
だ「はじめ君って結構、奥手なのね」
は「うるさいなぁ……はぁー……」
正直自分でもこんなにモヤモヤする恋愛は初めてで、どう行動したらいいかわからない。
は「すげー好きなんスよ……」
だ「見ててわかるよ」
は「自分でも頑張ってるつもりなんだけどなー」
コーラを一気飲みして、立ち上がる。
は「やるしかねぇ！」
だ「ははは、その粋だー」
そのあとだいち君は帰っていった。
俺は寝ているAの寝顔を写真にでも納めようと携帯を片手に、2号室へ戻っていた。
「はじめさん」
は「！！？！？！？」
どうやら、Aはコンビニに行っていたらしく2号室の玄関の扉に手をかけた瞬間に、声をかけられ心臓が止まるかと思うほどびっくりした。
「あ、すみません。驚かせちゃいました？」
は「あ、あぁ……だいぶ……」
Aは、少し意地悪そうに笑ってから
「一緒にどうです？」
と持ってきたビニール袋を見せた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 134人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：999 | 作成日時：2019年6月4日 2時
