女子校で元王子様してました。２【月島蛍】

第57話 インターフォン ページ19

＿＿＿


「はぁ…」




私には似合わないって言われそうなため息が零れる。




一週間後にバレーの大きな大会
“春高”の予選がある蛍。



当たり前だけど女バスが練習が終わってからも男バレが練習をやめる様子はない。



あまり蛍の口からバレー部での話は聞かないけど噂によると烏野高校バレー部は全国を目指せる程の実力があるらしく



部活中傍目で隣のコートに目をやると蛍が頑張ってるのが見える。




そんな蛍を見れるのは本当に幸せで格好良くて仕方がない…けど




「蛍と全然話す時間が無さすぎる〜〜」





分かってる、本当に蛍が頑張ってるのは分かってる…けど寂しいもんはやっぱり寂しい





勿論それで会いたいなんて迷惑になりそうな事は言わない。





なんて心に決めたその時に







.



.





家のインターフォンが鳴って
モニターを覗くと蛍が居た。





「遅い時間にごめん」



「全然大丈夫！どうしたの蛍」



「これ、渡してきてって」



そういって渡されたのは
タッパーに入ったご飯とおかずだった。



「え！なんで持ってきてくれたの」


「Aのお母さん3日家空けてるんでしょ」



「蛍のお母さんが気を利かせて
くれたのかな、ありがとういつも」



蛍のお母さんと私のお母さんは今とても仲良しで毎日の様に連絡を取っている。


多分家を空けてることを知った蛍のお母さんが私の分まで作ってくれたんだと思うと

改めてお母さんに感謝でいっぱいになった。



「ありがとう蛍！」


「ばいばい」


この短い時間だけでも話せるだけで幸せ。



＿＿＿

蛍が持ってきてくれたタッパーを開けようとした時蓋に付箋が貼ってあることに気づいた。



“蛍今部活で忙しいから中々話せないと思うけど夜ご飯届ける時たくさん話してあげてね”


という蛍のお母さんからのメッセージ。




さっきまでいじけてた弱々メンタルを立て直して1人で近所迷惑にならない程度に叫んだ。





「改めてお守り作り頑張るぞ〜！！」





.


.

蛍が勝てますように

烏野高校が勝てますように＿＿＿

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