-実況者- 【私が必要なんでしょ？】② (ページ24)

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"キヨなんかやめて、こっち…おいで？"

…レト、さん？

「…ぁ、わたし」

わたし何て言えばいいの？

キヨのこと好きじゃないです

レトさんのこと好きじゃないです

何て言えばいいんだろう

『うん、分かってる。』

「…ぇ？」

『キヨくんにしか出来ないことあると思う、でも俺にも俺だけができること…あると思うから、』

ゆっくり決めて欲しい、俺は好きだからどんな結果でも受け止めるよ。

そういってレトさんは微笑んだ

「はい」

『じゃあいこっか、』

私とレトさんは水族館に隣接しているプラネタリウム館へと足を運んだ。

レトさんと並んで座る

―――――それでは、プラネタリウムを開演いたします。

私はシートにもたれ頭上を見る

真っ暗な世界にぽつりぽつりと星が見える

私、なにしてんだろう…

皆を困らせて、悩ませて、巻き込んで

私と出会わなかったら皆今までみたいに仲良くできてたのに

私がはっきりしないから、

私が好きなのは誰なの？

いつでも私の味方をしてくれるレトさん？

いつでも気遣って優しいフジさん？

馬鹿みたいに喧嘩してそれでも本当は優しいキヨ？

考え事をしているうちに涙が溢れそうになって、

駄目だ、泣いちゃダメ、また心配かけちゃう。

息を止めて我慢する

すると私の手を暖かい手が包んだ

ハッとしてレトさんの方を見ようとすると

『駄目、星見たままでいて』

と私の手をよりいっそう強く握る

『俺ねAちゃんが悪いとか、面倒とか思ったことないよ』

レトさんは優しい口調で

『自分が悪いなんて、思わないで。』

俺の大好きなAちゃんなんだからさ、というとレトさんは鼻をすすった

瞳にたまる涙は自然と流れていて

ああこの人はなんて心が綺麗なんだろう、と

私なんか…いや、私を選んでくれて私は幸せ者だな。

プラネタリウムは終わり辺りが明るくなると、レトさんが手をそっと離して

私が涙を拭って振り向くと

レトさんの目も私と同じように赤くなっていて、

ああ、愛しいってこういう気持ちなんだと

人を良いと思う瞬間、惹かれる瞬間を感じた。

「泣き虫」

『うるさい笑』