-実況者- 【私が必要なんでしょ？】② (ページ11)

今日:2 hit、昨日:1 hit、合計:16,808 hit

#50 ページ11

「最近レトさんと会った？」

俺がそう問いかけると、言葉を詰まらせながら話す

ああ、やっぱり会ったんだな。

まだ何かあったと決まった訳じゃないのに、

俺はすでに絶望していた。

「レトさんから電話がきたから、」

『へぇー…』

俺の顔も見ずに上の空な回答をするA

やっぱり俺じゃ不満なのか…？

レトさんにはできて、俺には何ができない？

「何でさ、」

自然と冷たくなる言い方を止められない

俺だけを見てほしい。

俺は隣に座るAを押し倒し上に跨がる、

「俺と話してるのになに考えてんの？」

なにか理由があるのかもしれないと思う気持ちの裏で、何かあったに決まっていると決めつけている自分がいる。

俺が跨がって問い詰めると涙目でAは謝る、

違う

謝ってほしいんじゃない、

ほんとは泣いてないって、

なにもなかったって言ってほしい。

「レトさんの前で泣いたでしょ」

目を一瞬開かせて驚く姿を見てわかる、

黒だ。

俺じゃやっぱりだめなんだ、

「俺だけじゃ不満なわけ？」

その言葉を聞いたAは涙をよりいっそう溢れさせて、

小さな声で嗚咽した。

俺の愛が足りない…？

俺が不安にさせてる？

何をすればいいかわからなくて、俺は抱き締めて気持ちを伝える。

震える肩をそっと離す

『つきあって…ないよね？私たち』

俺の顔を真っ直ぐと見て言う、

つきあって…ない…？

俺は付き合ってると思っていた、でもAは違うのか…？

じゃああの日のことはなんだったんだよ、

俺の思い違いってこと…？

思わず溢れた声の次に何を言えばいいかわからなくて迷っていると、

リビングの扉が開いた。

そこには怪訝な顔をしたレトさんがいて、

ああ、早く返信すればよかったな。

レトさんは俺からAを剥ぐと守るように肩を抱いて俺からAを連れ去った。

なあ、

俺じゃなくて

レトさんとなら幸せになれる？