-実況者- 【私が必要なんでしょ？】 (ページ22)

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#21 ページ22

自己紹介が終わった頃、

奥の方からヒラさんとフジさんが帰って来た。

ヒ「ほらみんな～お茶だよ～」

『あんさ、今から動画録るからあっちの部屋で待っててくれる？』

キヨが振り返りお茶を渡しながら言う。

「うん」

丁度一人になりたかったし、良かった。

キヨは部屋へと案内してくれた。

『ここなら、何しててもいいから。ナニしてても…』

キヨは意地悪に笑いながら言う

「はっ！？するわけないじゃん！！！」

もう！早く動画とってきて！と部屋から追い出す

ドアを半分閉めた状態の隙間から顔を覗かせて

『後さ…そんな辛気臭い顔すんな、可愛い顔が
台無しだぞ！』

じゃぁな～と手をヒラヒラとさせて去っていく。

私はソファに座りながら考える、

元気ないから元気付けてくれたのかな？

はぁ、ただのいい奴じゃん。

フジさんと会ったとき最初に感じたのは、

嫌われただろうかということ。

私が逆の立場なら迷惑だと思う事を私はフジさんにした。

後で謝ろう…。

そして、フジさんの事もう好きじゃないんだってこと

じゃあキヨが好きなの？と言われれば、そういうことではない。

キヨのこと完全に好きだ！と言える自信がないのだ。

会って間もない関係でこんなに心を乱されることは生きていてはじめての経験で、

キヨだってモテるだろうしいつまでも私の相手をしてくれるわけでもない、

気軽に言える好きじゃなくて、

ちゃんとこの人だ、そう思えるまで

寂しさを埋める関係じゃないって

自分の好きな気持ちを疑い無く胸を張れるそのときまで、

ゆっくり積み上げていきたいのだ。

はぁ、色々考えて疲れたのかな、

瞼が重くなった私は自然とソファに背中を預け眠りに落ちていた。