-実況者- 【私が必要なんでしょ？】 (ページ17)

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#16 ページ17

「っ！くそおおお！！！！！」

『ｵｯｵｰｳ』

ルイージの真似をして私を煽るキヨ

一時間くらいしているのに全っ然勝てない

「惜しいところまではいくのになぁ…」

何十連敗もしてしょんぼりしていると

『ごめんって、ちょっと休もうぜ』

頭をぽんぽんとして飲み物を取りに行くキヨ

はぁ、何であんなかっこいいことできるんだろう。

少し前までフジさんフジさんって一筋だったのにな…

自分が軽いように思えて、駄目駄目と頬を叩く

『なにそれ気合いでもいれてんの？ｗ』

「はっ！うるさい！」

友達らしく友達らしく…

私はキヨから奪った綾鷹をごくごくと飲んだ。

「まだまだ！もう一回！」

それから数時間がたち私といえば

「…何で勝てないの涙」

絶望していた。

『だから俺甲羅もってるよっていったじゃんｗｗ』

もうすぐでゴール！というところで私は

キヨの放ったトゲゾーにより二位となった。

「赤とか緑の方だと思ったんだもん！！！！！」

『ほんと馬鹿だなｗｗ』

うう、とうちひしがれていると

キヨが近づいてきて「ほんとおもしれーな」

そういって私を後ろから抱き締めた。

「えっ」

『いや…？』

「嫌じゃないけど…」

嫌じゃないけど、

まってよ、そんなことしないでよ

だって私たち友達でしょ？

そんなことされたら好きになっちゃうよ

キヨは私のことどう思ってるの？ふと浮かんだ疑問をぶつけるように

振り返りキヨを見る

『なに？』

いつもとは違う優しい顔

「そ、そんなことされたら」

私は冗談っぽく問いかける

「勘違いしちゃうよ？」

『…していいよ』

え？

して、いいって…？

頭が混乱して返事に戸惑っていると、

ぽん！と膝を叩き

『昼だし飯にすっか！』

と立ち上がるキヨ

「う、うん！」

キヨ

勘違いしても、…

いいんだよね…？