-実況者- 【私が必要なんでしょ？】 (ページ13)

今日:11 hit、昨日:0 hit、合計:23,144 hit

#12 ページ13

kiyo side

勢いで連絡先を交換した後、俺は家でぼーっとしていた。

交換なんかして何がしてぇんだ俺は…

まさか、あの女に興味がある…とか？

名前も知らないのになにいってんだか、

まぁ遊ぶ相手も欲しかったし…と自分に良いわけをしながらlineを送る。

「明後日かぁ…」

当日俺はいつもより早く起きて集合場所に向かった。

んー早くつきすぎたか？予定の時間の15分前に着いた俺はスマホで今日行く場所の確認をしていた。

三分もしないうちに、スマホからチラッと視線をはずすとあいつが来た。

『お、お待たせ！』

その声を合図に俺はスマホをしまい目の前にいるそいつを見る、

(…は？)

白のニットにスカートをきたそいつを見てお洒落をしてきたんだと気づく、

可愛い

その言葉を思わず溢してしまいそうになり、飲み込む。

前にあったときは俯いてばかりで良く見てなかったが、

こいつ結構可愛い…のか？

頭の中に浮かぶ邪念を払うように俺は歩き出す。

柄じゃないと思うけど、俺の横を歩くこいつが好きそうな雑貨屋やカフェを巡ることにした。

最初に入った雑貨屋ではキヨ猫が可愛くないという事実を知りちょっとショックを受けた…

結構可愛いと思うんだけどなぁ…

ふらふらと店内を見ていると奥の方で悩んでいるそいつがいた。

俺は後ろから驚かしてやろうと

「これとか、似合いそうじゃん」

といきなり腕を伸ばした。

鏡に写るそいつは驚くどころか顔を赤くして照れている

ッチ

つまんねぇの…

近づいたときに微かに香る金木犀の香りが、

そいつを可愛いと錯覚させる。

錯覚に酔った俺は人も少なくなり暗くなった帰り道で、

つい、

「俺んち行こ。」

いつもは絶対に言わない一言を

目の前で焦るAと自分に興味ないと言い聞かせ

家に向かった。

向かう途中隣のAは不服そうに頬を膨らます。

なんだよその顔、

俺が興味持っても知らねーぞ。