-実況者- 【私が必要なんでしょ？】 (ページ2)

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服の整理をしながら腕時計に目をやる、

(もうそろそろ終わる時間か…)

服をたたみ終わりふぅと一息つく。

(後五分くらいだし、店内見てよーっと…)

新作の服が入荷したばかりの店内で何か良いものはないかと物色する。

(セーターそろそろ買わなきゃなぁ…)

『すみませーん！』

後ろの方から聞こえる声に反応し振り替えると、

『お会計お願いします。』

フジさんがいた。

「ぇ？」

フ…ジ…さん？

「い、今お伺いします！！！！」

震える手で私は会計を進める。

「…レトロワンピースが一着ですね～」

レトロワンピース…？

頭が混乱し、フジさんの顔を思わず見てしまう

『どうかしましたか？』

「い、いえ！大丈夫です！」

そっか、

「ありがとうございます、税込18000円でございます。」

フジさん彼女いるんだ。

私は脱け殻のような体を無理矢理動かして退社する、

先輩「おつかれ～！」

「お疲れ様です…」

彼女がいるという事実が、

フジさんと会えたと言う喜びを打ち消す。

トボトボと歩いていると、公園前に三人の影が見える

なんだろ…

見るとそこにはフジさんがいた。

幻想でも見てんのかな…ははっ、

『って、お前なぁ！』

いつも動画で聞くフジさんのツッコミ

やっぱり本物…？

私はまじまじとその集団を凝視した。

フジさんだ…

手にはお店の紙袋

もしかして、企画で使うワンピースだったのだろうか…？

そんなわけはないのに、自分に都合良く解釈する。

今このチャンスを逃したら、次会えないかもしれない

そう思った時には私の足は歩き出していて、

「うぉ、なんか来るけど…」

『へ？』

「フジさん好きです。」

告白をしていた。