人間不信【13】 ページ14
瞳「はい、紅茶。冷めないうちにね。」
『あ、ありがとうございます。』
私は差し出された紅茶に手を伸ばし、口に運んだ。
『…美味しい。』
その紅茶はほのかにレモンの味がして優しい味がした。
瞳「口に合っててよかった。」
そう言うと瞳子さんは私の前にあるソファに座り、質問をしてきた。
瞳「ヒロト、学校ではどう？」
『学校…授業はたまに寝てたりします。』
すると瞳子さんはクスリと上品に笑うと「あの子らしいわ。」と言った。
瞳「馴れ馴れしいと思われるかもしれないけど、呼び捨てで呼んでもいいかしら。」
『え？あ、全然…』
瞳「じゃあ、A。」
そう言えば呼び捨てで呼ばれたこと無かったな…
何だか新鮮です。
『はい。』
瞳「変な意味ではないんだけど、ヒロトとはどういう関係？」
関係？
『隣の席の人ということと、一緒にお弁当を食べる仲…ですね。』
瞳「お弁当？…だから昨日ヒロトの機嫌がよかったのかしら…」
『機嫌？』
瞳「あ、いえ、こっちの話よ。…最近ヒロト、反抗期だから。」
瞳子さんは苦笑いをしながら言った。
『反抗期…』
瞳「……」
すると突然瞳子さんは黙ってしまった。
『？…あの。』
瞳「ヒロトはね、人間不信なの。」
『へ…』
突然のことで私は間の抜けた声が出てしまった。
『に、人間不信ってあの人間不信…』
瞳「いきなりこんなこと言われたら驚くのも無理ないわ。」
『は、はい…でもそんなこと私に言っていいんですか？』
瞳「貴方になら…言えると思ってね。」
・
・
・
私は何だか信用されたみたいで嬉しかった。
『ヒロトさんが人間不信…私にはそんなこと一言も…というかそんな態度は全然…』
瞳「貴方のことを信用したのよ。きっと…」
『信用…なんで私なんだろう…他の子もいたのに。』
私はいつの間にか敬語が抜けて話していた。
瞳「ヒロトは人を信じやすく、疑いやすいのよ。…まあ、簡単に言えば"単純"ってことかしら。」
単純…
『私は…人が怖いから少しヒロトさんと似ていますね。』
瞳「…貴方、両親はいないの？」
ドクンと私の心臓が跳ねた。
『……はい、いません…だって、
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
捨てられましたから。』
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 131人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「イナズマイレブン」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
雪奈(プロフ) - え、めちゃヒロトかっこいい！！こういう小説すごく好きです！！続きが出るの楽しみに待ってますね！ (2019年7月25日 18時) (
レス) id: 08c5f26fea (このIDを非表示/違反報告)
Hana - ごめんなさい、なんか二回やっちゃいました。 (2019年7月2日 16時) (レス) id: da3268cf1a (このIDを非表示/違反報告)
Hana - 言い忘れてましたが、ストライクっていうのはボーリングの方ですよ！これからも応援してます！ (2019年7月2日 16時) (レス) id: da3268cf1a (このIDを非表示/違反報告)
Hana - 言い忘れてましたが、ストライクっていうのはボーリングの方ですよ！これからも応援してます！ (2019年7月2日 16時) (レス) id: da3268cf1a (このIDを非表示/違反報告)
なっち - 私の好みの小説じゃん!!やっと見つけたー！更新頑張ってください！続きを楽しみにしてます。 (2019年6月26日 12時) (レス) id: 39cb5e0646 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：霙珠 | 作成日時：2018年12月30日 14時
