触覚 ページ12
味覚が消えてから、数日経ったある日。
次の予兆が見え始めた。
「A、その痣どうしたんだ？」
「え？どこ？」
「ほら、その脛の辺りの…」
｢そんな所に痣なんてあったかな…うわ、本当だ」
「気づいてなかったのか？大きいし、かなり強くぶつけたはずだろ、」
「うーん、こんなに大きかったら気付くけどな、いつだろ」
風呂上がりに炭治郎から言われたその何気ない一言が、次の症状の前触れだったのだ。
その日は湿布を貼って寝て、そのまま終わったが…
数日後の任務で、それは決定付られた。
「A、そっちは終わったか？」
「うん、なんとか」
「今日は強くない鬼ばかりで良かったなぁ、でも怖かったけどさ───」
ふと振り向くと、善逸と炭治郎がピシリと表情を固め、それからさあ、と顔が青ざめていくのが夜目にでも分かった。
どうしたんだろう？
「どうしたの、」
「A、その傷、」
「傷？」
炭治郎が素早くAの傍に寄り、懐からだした手ぬぐいで頬をぎゅ、と押えた。
「痛いかもしれないが我慢してくれ、…この深さだと傷が残るかもしれない…それにしても、Aは女の子なんだから、もう少し気を付けなきゃ駄目だろう！！」
「え、何、私怪我してるの？」
「痛く、ないのか、？」
はた、と炭治郎が自分に押さえつけている手ぬぐいを見ると、それがどんどん赤を吸っていくのが見えた。
あれ、私いつ、
そういえば最近は怪我をすることが多かった。
それに気づかず、誰かに言われてから気づくことも多い。
痛みを、感じない？
「…第2段階」
ぽそ、と善逸が声を漏らした。
青白い顔で、わなわなと口を歪ませながら。
その言葉に、心当たりしかなかった。
…触覚、私はきっと。
「第2段階…？善逸、何の話だ、」
眉根を寄せながらそう聞き返す炭治郎に、善逸はサッと目を逸らして「なんでもない、独り言」と言う。
炭治郎はあからさまに不可解そうな顔で、善逸に詰め寄った。
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みょん(プロフ) - 複雑な気持ちになりました。貴重な体験、楽しい時間をありがとうございました。！ 長文失礼しましたm(_ _;)m (2023年3月19日 21時) (
レス) id: 1ba8aac85f (このIDを非表示/違反報告)
みょん(プロフ) - なりました。夢主の気持ちもめっちゃ分かるし炭治郎の気持ちもわかります。五感がなくなっていくという感覚などは、分からないけれど、本当に夢主になったような気持ちで読めることができました。作者様は本当に凄いですね。この作品を読んで言葉で表せないくらい (2023年3月19日 21時) (レス) id: 1ba8aac85f (このIDを非表示/違反報告)
みょん(プロフ) - めっちゃ感動しました(泣)大号泣です！感無量です。神作品を作ってくださってありがとうございます。特に最後の子守唄を歌うシーン。段々と炭治郎の声が聴こえてこなくなって、もっと大きな声で歌ってとお願いするシーンがなんというか、とても切ない気持ちに (2023年3月19日 21時) (レス) @page36 id: 1ba8aac85f (このIDを非表示/違反報告)
ワンコ - 感動(＞人＜;) (2021年3月29日 23時) (レス) id: 1e9b1e52b8 (このIDを非表示/違反報告)
ねこ - 柱の物語みたいです (2021年1月19日 22時) (レス) id: 751c2cfce8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ハナ | 作成日時：2019年11月23日 10時
