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、
１０時以降の仕事だとか、高校への通学の兼ね
合いでひとりだけ参加できない時間帯だとか、
ラウールさんが年齢のせいで苦しんでいること
には、薄々気づいていた。
深く突っ込むのも失礼な気がして、注意して見
ておくことしかできないけど、そろそろ限界な
気がした。
廊下の端にある給湯室はほとんど誰も利用しな
い。薄暗くて狭くて、誰も前を通らない。
人通りが多い廊下にウォーターサーバーが用意
されているし、給湯室の存在すらあまり知られ
てない。だからわたしは勝手に、しんどくなっ
たら逃げ込むシェルターにしていた。
こんなところにラウールさんが来るなんて、何
かあったとしか考えられないんだ。
聞いてみたら、雪野さんと喧嘩した、の一点張
り。それだけじゃどうすることもできないな、
と困り果てていたところに、
「ラウちゃん！こんなところにいたの」
「、ユキちゃん…」
雪野さんが入ってきた。目が合って、一瞬驚い
た顔で見られて、また元に戻る。
「ラウちゃん、楽屋帰ろう、ふっかもひかるも
待ってるよ」
「……」
「急に出て行ったら心配しちゃうよ どうした
の？元気ない？お腹すいた？」
「……だから子供扱いしないでって言ってるじゃ
ん」
ラウールさんが冷たい声を出す。
雪野さんはそんなラウールさんを見て、小さな
ため息を吐いた。
わたしはまるで元からこの場にいないみたいに、
存在感を消す。
出て行くことも、口を挟むことも、仲裁するこ
ともできず、わたしは誰の興味も関心も引かな
い、存在しているだけの無力そのものだった。
雪野さんは、３人が加入するまで一番後輩で一
番年下だった。性別のこともあって、６人のメ
ンバーにかなり過保護にされて過ごしてきた。
そんな中できたかなり年下の後輩が、可愛くて
仕方ないんだろうな、なんて思う。
大きく歳の離れた末っ子なんて、しかもこんな
に愛嬌があって愛くるしい末っ子なんて、可愛
いに決まってる。
みんな、ラウールさんのことが大好きなんだ。
「そうだよね、ラウちゃんごめん 嫌だったよ
ね、気をつけるね」
雪野さんの声が響く。
ラウールさんは、僕もごめんね、また甘やかし
てくれる？と雪野さんの手をとった。
ふたりの感情表出が、余りにも素直でびっくり
してしまう。
わたしだけのシェルターだったはずの給湯室は、
普段とは全く違う空気が取り巻いていた。
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うい(プロフ) - わおさん» わおさん素敵なコメントありがとうございます、読み進めるのが苦にならないくらい楽しんでいただけて嬉しいです、これからも楽しんでいただけるように頑張ります^_^ (2021年4月10日 18時) (
レス) id: 554bbc3ab6 (このIDを非表示/違反報告)
うい(プロフ) - 名無しさん» 素敵なコメントありがとうございます、わたしもコメントが来るたびとても嬉しくてお話を書くモチベーションになっています、これからもお楽しみください^_^ (2021年4月10日 18時) (レス) id: 554bbc3ab6 (このIDを非表示/違反報告)
わお(プロフ) - 切ない気持ちと、なんだかそわそわしてしまう気持ち持ちながら、いつも読み進めさせてもらっています。今後も、ヒロインさんを見守らせてください◯また、楽しみにしています。 (2021年4月10日 14時) (レス) id: e323b3ed3d (このIDを非表示/違反報告)
名無し(プロフ) - こちらの作品の通知が来ると嬉しくて飛んできちゃいます。うい様のお話の進め方が大好きです。44話、めちゃくちゃドキドキしました。今後の展開が楽しみです(^_^) (2021年4月10日 12時) (レス) id: d56cf18763 (このIDを非表示/違反報告)
うい(プロフ) - ユキトさん» ユキトさん素敵なコメントありがとうございます、泣いちゃうほどの文章になっていることがとても嬉しいです、随時更新していくので楽しんでいただけるよう頑張ります！^_^ (2021年4月10日 1時) (レス) id: 554bbc3ab6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：うい | 作成日時：2021年2月12日 6時
