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「マジで？」
「うん、今週の……土曜？にね。チャンさんって彼女とかいるの？」
「いや、いないけど……なんだよ、俺抜きでそんなに仲良くなったのか？」
「違うってば。お礼だよ、お礼」
仕事終わり、家に帰りご飯を食べたりお風呂に入ったりして、一息つくためベランダに出てタバコを吸っていると、チャンビニから電話がかかってきてこの前チャンさんとあったことを話した。
途中「チャニヒョンがお前のダーリンとかマジで面白い」と私の話を遮って爆笑するから切ろうかと思ったけど、すぐに「悪かったってば！」と謝られて寸前でやめた。
「チャンビニも来ない？」
「いや俺はいいよ。二人で、どうぞっ……ダーリンとハニーで？仲良く？」
「ヤァ、本当に切るよ」
何もそこまで笑わなくたっていいのに。
またチャンビニはごめん、と謝って笑いを落ち着かせるためか一息ついていた。
「……ところで、何で電話してきたの？何か用？」
「あー……ほら、そろそろ旧正月だろ。母さんが家来るかって」
もうそんな時期か、と通話したままスマホの日付けを見た。昨年は確か一緒に帰ってチャンビニの家にお邪魔したなぁと思い出した。
幼い時から旧正月はチャンビニの家で過ごしていた。家は両親共に起業家でそれぞれ会社を経営していて、どちらかは海外に飛んでることもあったし、家にいることの方が少なかった。チャンビニはご近所さんだったし、オンニも私のことを可愛がってくれていて、チャンビニの両親も良い人だから嫌な顔せず私のことを迎えてくれていた。
それは今も変わらずで、大人になってからは行ったり行かなかったりだけれど、昨年は少しだけ一緒に過ごさせてもらっていた。
「……今年はいいかな」
「何で？ヌナ会いたがってたよ。母さんも父さんも」
「だってチャンビナ、ソアちゃんは？私なんかじゃなくてソアちゃん連れて帰りなよ。年齢的にも結婚考えてるって言ってたじゃん」
流石に私だっていくら幼馴染でも彼女がいるのに、その実家にノコノコ遊びに行くようなことはしない。
チャンビニはそうだけど、と少し不満そうな声で言った。
「さむい！もう部屋戻るから切るね」
「は？外にいたの？あ、お前まだタバコ吸って」
「うん〜じゃあね〜」
チャンビニがその先を言い終える前に電話を切る。
怒ったスタンプが送られてきたけど、既読だけつけてそのままスマホの電源を落とした。
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作者名：さくらんぼ
| 作成日時：2024年2月17日 18時
