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彼女であるソアを両親に紹介して、仲良さげに両親やヌナと話しているのを見て、ほっとしていた。
アルバムがあることを聞いたソアがそれを見たいと言ったために、俺が使っていた部屋に来て昔のアルバムを見ることになった。
一枚一枚めくっていくと、途中からAがいる写真も増えてきてソアが「これAちゃん？」と言うからそうだと言えば「かわいい〜！」と俺そっちのけで見始めるから、少し不服。
そういえば、このくらいから一緒にいるよつになったんだっけ……と、昔のことを何となく思い出した。
「Aちゃん、いつもこの白いクマのぬいぐるみ持ってるね」
「ああ……親にもらったって自慢してきてからずっと持ってたんだよ」
「へ〜……あ、これは泣いてる……」
「……これは、俺がそのぬいぐるみ汚しちゃってさ。母さんと一緒に洗って返したんだよ。そしたら「もう戻らないかと思った」って泣いて喜んでて……それ撮られたんだよ」
今考えてみれば、Aはどこか年齢に反して幼い子どもだったような気がする。いつもそのぬいぐるみを持ち歩いて、寝る時も一緒で、そう言った部分は同じ年齢のはずなのに幼く感じた。変なところ大人びていて、変なところ子どもっぽい。
アルバムを見ていると、トン、トン、と窓に水滴が打ち付けるような音がしてきて、窓を見ると雨が降り始めていて。ちょっとコンビニ行ってくる、なんて家を出たヌナは傘を持って行っただろうか。
そう思っていたら、一階の玄関の方が騒がしくなって、ソアと共に下に降りると、雨でびしょびしょに濡れたAが、ヌナにバスタオルで拭かれながら立っていたのだった。
「A？」
「さっき、コンビニの前でずぶ濡れになってたから拾ってきちゃった」
「Aちゃん、良かったらご飯食べて行って」
「……すみません」
いつもの明るいAはそこにおらず、俯いて暗くて、一瞬見えた目は、泣いていたのか、はたまた雨が目に入ったのか、赤くなっていて、何かあったのかと少し心配になった。
俺の後ろにソアがいると分かったのか、ヌナの手を止めて「やっぱり帰ります」と言ったAを見て、後ろのソアが「送ってってあげなよ」なんて言うのだから、少し驚いた。
「……俺たちもそろそろ帰るとこだったから送ってくよ。車乗ってきな」
Aは悩んでいるようだったけど、ヌナに「そうしてもらいな」と言われて、ようやく頷いたみたいだった。
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作者名：さくらんぼ
| 作成日時：2024年2月17日 18時
