新たな1歩【神の力を持つ少女特別編】 (ページ41)

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「なっ、なんなの！？

私はあなたを裏切ったのよ！？

あなたにそんな怪我を負わせたのは私よ！？

あなたの情報を渡したのは私よ！？

なんでそんなことするの！！

これ以上私を惨めにさせないで！！」

絢乃は手をふり降ろし、

私を押した。

「おい、お前…」

「なんなのよ！！！

いきなりHero Schoolにきて、

いきなり特進科に行って、

学力も実技も申し分なくて！！

おまけにみんなからチヤホヤされて、

先生からも頼りにされて！

しかも日本でも友だちたくさんいて！！！

私がどれだけ自分に劣等感を抱いたと思う！？

どれだけ周りからあなたと比較され、

その度に大したことないって馬鹿にされて！！

あなたの存在で、

私がどれだけ苦しんだかわかるの！！？」

訴えるように、

苦しみを伝えるように、

絢乃は叫んだ。

「…そんだけの理由で藍上を、こんな目に…？」

「Hero Schoolをこんな目に…？」

轟とハリーが、

今にも絢乃を殴りそうな勢いで近づいた。

「やめて。」

私は自分でもびっくりするような

低い声が出た。

「今殴っても何も解決しない。

……絢乃、私の話、聞いて。」

絢乃は少しひるんだようで、

大人しくなってくれた。

「私は、普通の家に産まれた普通の女の子だった。

妹がいてね、ずっとその妹と遊んでた。

でもある日、家が敵に襲われて、

私と妹は敵に拐われた。

妹はそれから死んだように眠っていた。

私は実験台にされて、

変な力を持ってしまった。

……かつてはこの左眼が、

ゴッドアイって呼ばれて、

神の力を持ってしまった。

私は妹を眠らせた、敵が憎かった。

だから

たくさん訓練して、

個性を使う練習をして、

体力もつけて、

妹の分までって、勉強も死ぬほどした。

でも別に、

ヒーローになりたかったわけじゃなかった。

誰かを守るために、

強くなりたかっただけだったから。

……本当は少しだけ、

拐われたときにヒーローが助けてくれればって

ヒーローを少し憎んだ気持ちもあったかも。

でも、雄英にいかせてもらって、

みんなと出会って、

私は変われたの。」

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