新たな1歩【神の力を持つ少女特別編】 (ページ29)

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「犠牲者を1人に済ませるのね、

いい判断だわ。」

チラッと緑谷たちの方を向いただけで、

私を見るあの寒気がするような笑みは崩さない。

「…犠牲者？

勘違いしないで。

…私はあなたに負けるつもりはない。

あなたなんて私一人で事足りる。」

「……どこまでも気に入らない！」

女は手当り次第、刃物を私に投げつけてくる。

…………いや、手当り次第では無い。

「っ、」

私の動きをよんで、

私が次に動く場所目掛けて刃物を投げてくる。

ただのサイコパスじゃない。

頭はいい。

「……でもそれだけじゃ…！」

「ないわよね、」

「っ！？」

避けようと膝に手を当てた瞬間、

パリン

「いっ…」

思わず膝に手を当てる。

「はぁなんていい気味！！

いいわねぇその表情！！

そうよ、もっと苦しみなさい！！！

地獄の果てまで落ちていけ！！！」

「…っ、」

派手に刃物が刺さった膝からは、

出血していて、

触ればすごい痛みが身体中に迸る。

これが何を意味するか。

「これで、

あなたの膝(武器)は、

使えない。」

さぞ楽しそうに、

ますます不気味に嘲笑う女。

……どうする、A。

私の主な武器である鏡はもう使えない。

持ち前の速さが、十分に発揮できない。

…だめだ、弱気になるな、

ビリ

ドレスの裾を破り、

これ以上出血してこないように

膝にドレスの裾を包帯代わりにまいた。

…考えろ、考えろ。

こうしている間にもずっと刃物は飛んでくる。

とりあえず今は剣を使って弾いているけど、

剣を使い始めたのは2ヵ月前から。

主に鏡で移動して、

できた隙に剣で攻撃していたから。

それに……

「刃物なら私の得意分野よ！！

私の一人舞台！！！

おーっほほほほほ！！！」

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