捨て犬と先輩 4【HQ】

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…





……試合が終わってから、全部が終わる






言わなきゃ、という気持ちも





この心苦しさも、なにもかも。






きっと開放される…







牛島さんとの会話も聞こえているはずなのに、付き人は特に深く聞いてこなかった









『…牛若と知り合い？』






すると後ろからそんな声が聞こえてきて、振り返ると見覚えのあるピンクの髪の毛が目に入った







他のみんなはいないようで、彼しかいない







『牛若って話すの？』





何しに来たのか、何でここにいるのか不思議に思ったけど私は彼の問に頷いた







『…まあ、これを知ったら及川はなんて言うんだろうな〜』






………？






｢…あの、及川と牛島さんは知り合いですか？｣







…私がお互いに紹介しようとしていた2人







ピンク頭は少し考えていた







『知り合いだよ



しかもめちゃくちゃ嫌いなね！』







少し笑いながらそう答えるピンク頭






『牛若の事になるとムキになるし、周り見えなくなるし。



あれは相当嫌ってるね。』







…似たような事誰かも…






………………そうだったの






あの時及川が来なくて正解だったのかな…







『まあ嫌いというか、戦う相手だし実力も優れてるし…



恨むところしかないんだよ、アイツは』







………………




…まあ、バレー選手で、強豪で日本代表で選ばれるくらいなら知ってるか






分かりきっていたことですら、考えていなかった






お互いにいい人だと紹介したくて、私の勝手な思いが優先していた







『…どっちを応援するの？』







ピンク頭は少しぎこちなく微笑んでそう聞いてきた






｢…どっちも。



及川…青城の人達もいい人ばっかだし、牛島さん達もいい人達だから




片方だけの応援は出来ないからどっちも。｣








するとまたピンク頭は小さく笑っていた







『…なんだそれ、大変だな





じゃあ、俺はそろそろ漏れそうなので行きます』







そう片手を挙げて足早に去っていってしまった







…1人だったのはトイレに行こうとしてたんだね。







………そう






"お前はただ青城を応援してればいいんだよ"







もちろん応援はしてるけど、それに大きく頷けない






私はどっちのチームも応援したいから。







…試合、を見に来たんだけどね。




どんな気持ちで見たらいいのか一体わからない。

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