捨て犬と先輩 4【HQ】

192 及川 ページ42

…………っ…！！






………






ボールを触れば怒りがまたさらに込み上げて来て、当たるようにボールを叩きつけた







ストレートで負けて、アイツらは何事も無かったように優勝をする







日本代表にも選ばれるくらいだ






適うわけない







………なんて言ってられないんだよ








何本も点は取った





でもあっちの方が早く取っただけだ







……………………







"頑張って"







……………………っ…







何本も、何本も床に叩きつける






それでもまだ足りない






松｢いい加減にしろよ…｣







そんな俺を見る皆は少し呆れているようだった







岩｢もう片付けろ｣








いつもはガミガミ言うのに、さっきから何も言わず静かだった岩ちゃん







花｢はい、終わり〜｣







そう言って俺の肩を軽く叩いたマッキー







道具は勝手にどんどん片付けられていく







……まだ気が済まない






だけど一人でわがままも言ってられないから、俺も片付けをしようと手を掛けた








.








花｢春高予選か〜｣




松｢烏野も上がってきてるしな｣








なんて会話を何も言わず受け流していた







"金輪際、A様には近付かないで下さい"







………。





…ははっ…





…なんで俺がそんなこと言われなきゃいけない







彼の目の前でお嬢様を傷付けたのは確か。






…………………






…まじで…何なんだよ…








岩｢おい｣







岩ちゃんの声にハッとして顔を上げた






岩｢そんなに何にイラついてんだ｣







岩ちゃんの目が俺に刺さる





…何に？





なんだろう







及｢…さあね〜、わかんない｣






なんか胸の中がザワッとする







すると岩ちゃんは前を見たまままた口を開いた







岩｢…アイツ、A…お前に何か言おうと｢岩ちゃん｣







…ほらね





嫌な予感はやっぱり当たった







及｢その話はやめよう｣







"話したいことがある"






"あのね…"







あの時俺が止めたのも






何か嫌な予感がしたからかな







今になってわかるよ







その話したいことも、あそこに牛若を連れてきたことも







今は、話したくない






アイツの事は。






思い出したくもない








及｢じゃあね｣


岩｢…おう｣





そこからちゃんとした会話は特になく、それぞれの帰り道へ向かった

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