捨て犬と先輩 4【HQ】

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『今から散歩に行くの！


じゃあね！お姉ちゃん！





行くよ、マル！』







……違うよ





何言ってるの





その子はおこげだよ






なんて思いながらも止めることは出来ず、男の子は私の前を通り過ぎて行った







……………………







………どうして…？







あれだけ一緒にいたじゃん






たくさん遊んだし、ご飯だってあげたし、ほぼ毎日一緒にいたじゃん








おこげはこちらを名残惜しく振り返って、寂しそうに唸る事すらしなかった







心の中に大きな傷ができたよう




穴が空いたどころではない、ジワジワと痛む傷を付けられたようだった







一回でも振り返ってくれたっていいじゃん







傷ができたと同時に、何か裏切られたような感覚に陥る








……………………………







………あぁ、そうだった







思い返せば、誰にでも懐く子だった







及川にも




及川と同じチームの人達にも





付き人にも。







…それに…拾われたなら良い事じゃない…





こんな汚くて、寒い所よりはるかに良い…









……………馬鹿だよ、私は







……昨日から……………






馬鹿な事しかしてないじゃん………








……






大好きなおこげがいなくなったのに、その時は何故か涙が出なかった







だけど時間が経つにつれてその哀しさが大きくなり身に染みる






ようやく状況を理解して、受け入れる事ができた






その時、ようやく目に涙が溜まり次々と溢れていく






胸が熱くて苦しい






静かな空気の中自分の虚しい泣き声だけが響く








……大好きで…勝手に同じ状況で…同じ事を考えていると思い込んでいた






……捨てられて…優しくされて…





………………お前は違った…








…捨て犬だもの、媚び売っていかなきゃ死ぬ







………なのに私は………………







すると誰かが私の肩に触れた








私は俯いていた顔をあげると、そこには不気味に微笑む男がいた








…………っ…







…逃げなきゃ……






私は立ち上がって急いで逃げるも腕を掴まれ、すぐに抵抗出来なくなった







『…ずっと、機械がここで反応してるんだよね…




壊れてるのか時々反応するんだ……





だから来てみたら…見覚えのある場所だった』







男の言葉に必死に抵抗していた手の動きが自然と止まった





…機械？









……反応………？

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