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朝、学校に行くと見慣れない男の人が立っていた
『おはようございます
本日から私がA様の付き人なります
失礼がないよう心掛けます』
そう丁寧に挨拶してくれる新しい付き人
「…お願いします」
そう声をかけるとまた丁寧に頭を下げてくれた
昨日はちょっと我慢ができなかったんだ
『こちらになります』
授業後には丁寧に説明されたり、必要なものもすぐに渡してくれる
でも私には少し歯痒い
『お茶をお持ちしました』
別に望んでない
「ありがとう」
いや、これが普通なんだ
彼は私に付くのが初めて。
だから性格や好きなものや、何かに大しての反応など、
頑張って把握しようとしてくれてるんだ
だからこんな小さい事に突っかかる必要は無い
少し違和感を感じるだけ
付き人が変わったからか、他の子達がコソコソと眉を顰めてこちらを見ていた
それも気にしないように…
『私の個人的な感想ですが、こちらは飲むと心が落ち着きます』
そう言ってお茶を指す付き人
付き人を見ると優しく微笑んでいた
…
私はそのお茶に口をつけ少しだけ飲んでみた
……あぁ、温かい
そして美味しい。
彼の言っている事が少しわかる
自分でも心の中の感情がぐちゃぐちゃすぎて、よくわからない
でも少しだけ、ホッコリ。
「…ありがとう」
そう言うとまた彼は優しく微笑んでいた
まだ少ししか経っていないのに、私のこの混ざりあっている感情を察しているようだった
.
『お疲れ様でした
A様は普段、お帰りの際にお車を用意しないそうですが、いかがなされますか?』
初めてだからこんなことも聞かれるのか
「歩いて帰るよ」
今の私には外の空気を吸ってよく考える時間が必要だ
『そうですか。
では、お気を付けて
お疲れ様でした』
私も頭を下げ返して、その場を後にした
人がいつもと違ったからか少し居心地が違った
でもきっともう慣れた
慣れないなんて言ってられない
私がそう望んだんだから。
私は行く先も無く、どこに行こうか考えながら歩いていた
あそこに行きたい
でも及川が_______
…もうあの人達は言ったのかな
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PUPU(プロフ) - こんこんさん» ありがとうございます(´;ω;`)期待に応えられるよう頑張ります!!! (2019年4月11日 8時) (レス) id: 1af456bb3b (このIDを非表示/違反報告)
こんこん - こんばんは、PUPUさん!初コメ失礼いたします!この作品、とても面白いです!夢主ちゃんに波乱の展開が…!?もう、すっごく楽しみに待ってます!頑張ってください!! (2019年4月10日 23時) (レス) id: e238538397 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:PUPU | 作成日時:2019年3月30日 15時