捨て犬と先輩 3【HQ】

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友達に愛されてるんだな






と素直に感じる








及｢ちょっと！｣







そして私の隣にいる人は普通に及川を無視してるあたり、いいキャラをしてるんだと思う。







足が少しムズっとして、下を向くと餌を食べ終わったおこげがいた






私はおこげを抱き上げて、また同じところに視線を戻した







同じ部活だとこんな友情もあるのね






今の学校に部活なんてものもないし、仲が悪いわけでもないけど仲がいい友達もいない






だからか、少し羨ましく思ってる自分がいた








｢あ、試合…おめでとうございます｣







なんとなく沈黙が気まずく感じて、私はそう声をかけた






『…ああ、見てたんだっけな』







彼は私が抱くおこげに視線を向けながらそう言った







｢…用事があってすぐ帰ったので見れてないんです

…すみません｣







日曜日の事は何度も頭を過ぎるし、思い出せばしっかり覚えてる






すると隣にいる彼が、おこげの頭を優しく撫でた







『別に謝ることじゃないし、試合前に会えたからいいだろ』







おこげを撫でながらそう言ったけど、正直意味がよくわからない







その事に関しては何も言えないけど…







｢…あの大事な時期なのにごめんなさい｣







私が頭を下げると彼の手が自然とおこげから離れた






及川はあんな事言ってたけど、同じ部員としてやっぱり不満があるのかもしれない







それくらい、彼はきっとすごい人なんだと思う






だから大事な時期にこんな所に来る時間が無駄になる








けど、彼の口から出た言葉は私が予想もしていない言葉ばかりだった








『アイツは確かにすごい選手だし、今だってあんなうるさくてヘラヘラしてるけど




責められたり追われたりすれば、1人で抱え込んでひたすら無茶をするようになる』








彼は遠くで戯れている及川の方を見てそう言った







声のトーンからして本当のことを言ってるのがわかる








『ここに通うようになって調子がいいし、気分も下がりにくくなってるから


丁度いいんだよ』







彼は鼻で笑って、またおこげを撫で始めた






おこげの尻尾が体にバシバシと当たる






……




……………。






また胸が強く締め付けられる






"俺もここが好き"






"ここに通うようになってから"







聞いて良かったような、







良くなかったような。






気持ちが混ざり合う

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