捨て犬と先輩 3【HQ】

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｢こんな場所があるなんて知りませんでした｣







こんなとこ来たこともない…






…まあ探検とかしないタイプだからな







立｢ここは僕のお気に入りの場所なんです



もし、大切な人が出来たら一緒に来てみたかったんです｣








私の方を向いて微笑んだ智さんにまた胸が跳ねた







立｢…あはは…！ごめんなさい！初めて会ったのに…｣






智さんは頭を掻きながら焦ったように前にある花に目を移した






私もつられて花を見つめた







……………………







何でこんなにサラッと…







"大切な人"







…………そっか。




そうなるんだもんね







｢素敵な場所に連れてきてくれてありがとうございます｣







いい加減飲み込めてるはずなのに、何処か胸が締め付けられている気がする






だけどそれは気付かないふりをして、智さんに頭を下げた








…本当に素敵すぎる場所だ







どこを見ても、心が清らかになりそうなくらい心地がいい







思わず目を瞑ってしまうくらい。








立｢…またお誘いしてもいいですか？｣








静かな空気の中、智さんの声が響いて聞こえた







｢もちろんです｣






私は笑顔で快く受け入れた








私は彼といい関係を作れる気がする







意地っ張りで気の強い私だけど、彼といても苦ではない






それはまだ初めて会ったからかもしれないけど。








お嬢様でいるのなんて慣れてるから苦だとも思わないし。








しばらくその花畑でゆっくりと時間を過ごした








.







外は日が落ちてきて、空が赤くなっている







なんというか、不安な事はあったけど過ぎた時間はあっという間な気がした






それは彼の気遣いのおかげでもあるけど








純粋に楽しかったのかな









立｢外でのんびりお散歩もいいものですね｣








やっぱりいつも車移動なのか




彼は微笑んでそう言ってくれた





その笑顔に嘘はなさそうで、新しい事を知れたような顔で私も少し嬉しくなった







｢また是非｣







智さんはわざわざ遠い中、家まで歩いて送ってくれた







家に入るまで見送ってくれて、私は最後に頭をまた下げた








『どうだった？』






リビングに行くと、おじさんとおばさんが心配そうに声を掛けてきた







｢とてもいい人そうで、すごく楽しかったです｣







そう言うと微笑んで頷いてくれて、他にあった事の話が始まった

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