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友達が私の前の席に座って後ろを向いた
『ねえねえ』
彼女は何故かニコニコしていた
訳もわからず私もそれに合わせて笑顔を作る
『今日も、前みたいにお兄さんが迎えに来るの?』
大きく胸が跳ねる
久しぶりに思い出したかもしれない
そう言えば、あの時…この子が……
それであんな風になったんだった
忘れかけていた記憶が一気に蘇る
「…ううん…来ない…よ。」
友達は少しガッカリしてるようだった
『そうなんだ』
私はできるだけ笑顔を崩さないようにした
だけど自分でもなんとなく引きつっているのがわかる
心臓の動きが早い
大丈夫
大丈夫だから、落ち着こう
影「…鈴谷さん」
隣から私を呼ぶ声が聞こえて、ハッとして顔を向けた
影山くんは何も言わず扉の方を指さしていた
ゆっくりと指してる方を見ると、菅原さんが片手を挙げて立っていた
「…ごめん、行ってくるね」
友達は特に何も気にしていないように、私を送り出してくれた
…よかった、表に出てないみたい
菅原さんの方へ向かうと、菅原さんはわかりやすく…わざとらしく怒っていた
遠くから"可愛い"なんて声も聞こえてくる
菅「話すって言ったくせに」
……
だから怒ってるのね
…まあ、当たり前か
ちゃんと話すって言ってまたしばらく休んでたんだからね…
「…ごめんなさい」
私達はまたいつもと同じように図書室へ向かった
菅「足大丈夫?痛くない?
ごめんね、わざわざ連れてきちゃって」
さっきまでわざとらしく怒ってたのに、忘れて素が出たのかいつもの優しい菅原さんだった
すると菅原さんは慌てて、またわざとらしく怒り始めた
そんな姿につい笑ってしまった
菅「なんで笑うの。怒ってるんだよ!」
久しぶりに会ったから?
久しぶりに話したから?
心が落ち着くけど、少しドキドキしていて、
なんだか嬉しくて、楽しくて、懐かしさもあって。
「優しい時の兄さんに似てます」
少し重なる
菅「嬉しくないし」
菅原さんは複雑そうな顔をしたけど、しばらくすると少しクスッと笑った
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PUPU(プロフ) - みくちゃんさん» 暖かいお言葉ありがとうございます!!! (2019年1月26日 16時) (レス) id: 1af456bb3b (このIDを非表示/違反報告)
みくちゃん(プロフ) - PUPUさん» いえいえ!無理しない程度に頑張って下さい!笑 (2019年1月26日 11時) (レス) id: a47d306ddb (このIDを非表示/違反報告)
PUPU(プロフ) - みくちゃんさん» 長々とお付き合いありがとうございます(´;ω;`) (2019年1月26日 10時) (レス) id: 1af456bb3b (このIDを非表示/違反報告)
みくちゃん(プロフ) - 1から見せてもらってます!凄く内容が引き込まれる感じで凄く面白いです笑 (2019年1月24日 11時) (レス) id: a47d306ddb (このIDを非表示/違反報告)
PUPU(プロフ) - うへぇさん» ありがとうございます(/Д`;あともう少し…!頑張ります! (2019年1月20日 23時) (レス) id: 1af456bb3b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:PUPU | 作成日時:2019年1月19日 18時